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Twitter で「感情指数」を探る試みが始まる

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Twitter の中を飛び交うメッセージの約40%が「意味のないつぶやき」、という調査結果も出ていますが、「楽しい」「悲しい」などといった生の感情がリアルタイムで書き込まれるというのは、考えてみればそれだけでも凄い話でしょう。そこで Twitter のメッセージを集約して、いま現在の世間の「感情」を指数化しよう、という試みがあるそうです:

Using Twitter as a Collective Mood Ring (New York Times)

Peter Sheridan Dodds and Christopher M. Danforth, a pair of statisticians from the University of Vermont, are hoping to harness the stream of messages flowing through the popular microblogging platform at any given moment to read public opinion and sentiment in real time.

The goal is to establish an index, akin to the Dow Jones industrial average, that can “give an overall sense of how a collective body of people are feeling at any given point in time,” Mr. Dodds said.

“The goal is to take the public’s pulse on certain topics,” Mr. Dodds said.

バーモント大学の統計学者である Peter Sheridan Dodds と Christopher M. Danforth の2人は、 Twitter 上を流れるメッセージを使って、ある時点における世論や国民感情をリアルタイムで読み取ることができないかと考えている。

最終的に、ダウ工業株30種平均のような指数をつくり、「ある時点において、人々が全体としてどんな感情を抱いているのかが把握できるようにする」というのが彼らの目標であると Dodds 氏は述べた。

とのこと。また Twitter を「世論測定装置」に使うことについては、こんな利点もあると述べられています:

Tracking and analyzing public Web writings could provide better results than some surveys or polls because the answers tend to be unfiltered and more genuine, Mr. Dodds said. With their research on Twitter, Mr. Dodds argues, he and Mr. Danforth will be able to analyze reactions and emotional responses to current events by the hour.

ウェブ上の書き込みにはフィルターがかけられておらず、より人々の本当の考えに近いため、それを把握・分析することは、一部の世論調査よりも良い結果をもたらすだろうと Dodds 氏は述べている。Dodds 氏によれば、Twitter を調査することにより、最近の出来事に対する世間の反応や感情を、時間単位で把握することができるそうである。

Twitter 上のメッセージをチェックし、自社ブランドに対する人々の考えを読み取ろうとする企業は既に現れ始めていますから、Twitter から世論を探るというのも確かに一理あります。もちろん現時点では Twitter ユーザーには偏りがありますから、「Twitter 上の世論≠一般の世論」だと思いますが、なかなか面白い試みではないでしょうか。これが大成功を収めたら、

えー、お終いに今日の株価と「Twitter 指数」です。日経平均は90円下げていますね……それに連動して、Twitter 指数もマイナス10ポイント、ネガティブ傾向に拍車がかかっています。なんとか持ち直してくれることを期待しましょう。

などといった台詞がニュース番組の定番になったりして(笑)

ちょうどみずほ情報総研の吉川さんが、今日のエントリでこんなことを書かれています:

世論調査vs予測市場vs口コミ分析~どれが最も選挙結果を正確に予測するか (ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦)

仮に Twitter 分析を選挙の分野で行うとしたら、「クチコミ@総選挙」に近い話になるかもしれませんね。残念ながら Twitter の日本語検索は精度が悪く、さらに日本の Twitter ユーザー層はさらに偏っていますから、「Twitter 上のクチコミから選挙結果を予測する」ということは現段階では非現実的です。しかし将来的には、選挙期間中にリアルタイムで Twitter を分析して、各政党に対する支持率を探る……などといった試みが始まる可能性もあるのではないでしょうか。

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