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デジタル・ディバイドはいくつある?

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デジタル・ディバイドという言葉から何を連想されるでしょうか。「パソコンなどの情報技術に触れたことのない世代やグループが、それを使うのに苦労して不利益を被る問題」というのが一般的なイメージでしょう。しかし「ディバイド(隔たり)」という言葉に注目するなら、「使える・使えない」という差だけでなく「どう使うか」という差も問題になってくるかもしれません。

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先日書店で本を眺めていた時、ある本の帯に書かれた「コンテンツ消費の現状が分かる」という言葉が目に飛び込んできました。その本は各種メディアを消費者がどのように利用しているかという点について、様々な統計データをまとめたもの。対象には新聞や雑誌、テレビといった従来のメディアだけでなく、当然インターネットも含まれていたのですが、そこでふとこんなことを感じました:

インターネットはコンテンツ「消費」だけでなく「創造「の場でもあるのだから、例えばその利用時間を、テレビの視聴時間などと単純に比較することはできないのではないか?

職業柄、様々な世代の方々とお会いする機会があります。そこで強く感じるのは、インターネットというものに対する捉え方の差。個人的な経験を一般化してしまって恐縮ですが、あくまでも僕が見ている限りでは、年配の方ほどインターネットを「読むもの」と捉え、若い方ほど「参加するもの」と捉えているように感じます。おそらく上記の本をまとめた方は、インターネットを新聞や雑誌と同列に置くことに疑問を感じなかったのでしょう。しかし同列のものと捉えていては、ネットが生み出す様々な現象を理解することは難しくなります――これも1つの「デジタル・ディバイド」と呼べるかもしれません。

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以前もモバゲーの体当たりレポートを行われた、ITmedia お馴染みの岡田有花記者が、最近ネットユーザーの間でも話題になっているケータイサービス「リアル」について記事を書かれています:

中高生版Twitter? ケータイ「リアル」をのぞいて驚いた (ITmedia News)

僕もすっかり誤解していたのですが、「リアル」とは特定のサービスを指す言葉ではなく(※ややこしいのですが、実際に「りある」「CROOZリアル」という名前が付いているサービスもあります)、カテゴリーを示しているようです:

リアルは「リアルタイム」の略で、「リアルタイム日記」「リアルタイムブログ」と呼ばれることもある。自分の気持ちや状況を、テキストや絵文字、画像でリアルタイムに更新して友達など身近な人に見てもらうというもので、特定のサービス名称ではない。投稿は、携帯メールで行われることが多い。

なるほど。従って使われるツールも特定ではなく、リアル専用に作られたサービスから、普通の携帯電話用ブログを流用するなど様々のようです。極端なことを言えば、あらゆるテキスト欄が潜在的な「リアル」の場なのかもしれません(はてブでこんなコメントを書かれている方もいらっしゃいます)。「このサービスはこういう目的のために作られた」「この機能はこう使う」といったお仕着せを受け入れる層と、自分たちの都合に合わせて使い方を変えてしまう層。ある意味これも「デジタル・ディバイド」かもしれません(ディバイドが無ければ、フィルタリングを推進する人々は若者の先手を打って抜け穴を塞ぐことができるはずです)。

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さらに先日、「リアル」世代について興味深いことを伺いました。Twitter 上である方とコメントを交わしたのですが、その方によると、授業でブログの実践を行った際に「1行ブログを書く人」が出て来たのだとか。そこでブログの定義について考えさせられたそうなのですが、彼らにとってはプロフやリアルがホームページ/ブログであり、むしろ長々と文章を書くことの方がネットの普通ではない使い方なのかもしれません。いまは「ミニブログ」と称されている Twitter 系サービスの方が主流になり、ブログの方が「ロングブログ」などと称される時代が来る――というのは考えすぎかもしれませんが、これも一種のデジタル・ディバイドなのかな、と感じた次第です。

……とまぁ、長々とまとまらない文章を書いてしまいましたが。デジタル技術に触れているかいないかという差だけでなく、それに触れている人々の中にも、使い方や意識の点で大きな隔たり――ディバイドが生まれてきているのだと思います。気をつけていないと、「この人は若い人だし、僕の言っていることが分かっているだろう」と思っていたら、目の前のサイトやサービスに全く異なる意味を見出していた、などということが起きてしまうのかもしれません。

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