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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

ちょっと前のニュースですが、New York Times 紙が反対論説(Op-Ed)欄のスピードアップを図ることを計画しているそうです:

'New York Times' To Launch 'Instant Op-Ed' (Editor & Publisher)

新聞社が自社の主張を展開するのが社説(editorial)で、外部の人物や組織が(時に社説に反する)主張を述べるのが反対論説。日本の新聞では馴染みのない文化ですが、米国の新聞では"Op-Ed"という単語をよく目にします。そもそも Op-Ed を最初に始めたのが New York Times なのですが、彼らはその作成プロセスを高速化した、その名も"Instant Op-Ed"なるものを来年1月中に開始する予定とのこと。

The New York Times is planning to launch a new "Instant Op-Ed" next month that will allow the paper's Web site to post immediate expert viewpoints on breaking news, according to Editorial Page Editor Andrew Rosenthal.

"Our Op-Ed now is very rapid response, but it is at the most the next day," said Rosenthal. "We are looking at a way to take advantage of the expandability of the Internet, the back and forth of it and the instantaneous nature of the Internet. Taking ideas that have existed in Op-Ed form and giving them a robust position online."

Rosenthal said three editors, among them former editorial writers, are teaming up with a Web producer to oversee the initiative. He said the team is gathering a list of numerous experts on a variety of issues to be ready to provide quick comments, essays and columns on issues or stories that come up in the news. He said the idea is to have a group that provides opinions soon after news occurs, with a solid Web space dedicated to them.

New York Times 紙は来月、新しく"Instant Op-Ed"を開始することを計画している。社説欄の編集者である Andrew Rosenthal によると、これは同紙のウェブサイト上に掲載されるもので、最新ニュースに対する専門家の見解が即座に載せられることになる。

Rosenthal は次のように述べている。「現在の Op-Ed 欄も非常にレスポンスが早いのですが、最速でも翌日の掲載になってしまいます。私たちはインターネットの拡張性、双方向性、即時性を活かす方法を模索していました。そこで以前から Op-Ed 欄にあった思想を、オンライン上で確固たるものにすることにしたのです。

Rosenthal によると、元社説欄編集者を含む3人の編集者が起用され、ウェブサイトのプロデューサーと共に計画を進めている。様々な分野での専門家のリストがまとめられており、ニュースに対する迅速なコメントやエッセイ、コラムが作成可能になるように準備されている。ニュースが発生したらすぐさま意見をまとめ、ウェブ上の専用スペースに掲載できるような組織をつくるという計画である。

実際、キャロライン・ケネディ氏がヒラリー・クリントン上院議員の後任に意欲を示しているというニュースに対しては、数時間でコメントをまとめることができたとか。ちなみに New York Times のウェブサイト上の社説欄はコメント可能になっているのですが、"Instant Op-Ed"でもコメント欄を設ける予定だそうです。

「速報性という点では新聞はネットに負けるが、深掘りという点ではまだまだネットは新聞に及ばない」というのが従来型メディアの内部の人々、あるいは従来型メディアをメインにしている人々の意見だと思います。しかしネットに目を向けてみれば、現在でもニュースが発生した直後から、様々な人々によって(それこそ専門家と呼ばれるような人物も参加して)「深い」考察が行われていることに気づくでしょう(それを発見するためには、検索エンジンやコミュニティ型ニュースサイトなどといった何らかの方法が必要になりますが)。大胆な言い方を許していただければ、もはや新聞の優位性は「四六時中ニュースを追っている人間が大量にいる」というだけで、速報性の点でも深掘りの点でもネットに後れをとるようになっている――それを認識していることが、New York Times が"Instant Op-Ed"などというものを開始する理由の1つではないか、と思います。

少なくとも、新聞が「深い考察をするから1日時間をくれ」という言い訳することが通用しない時代になってきているのでしょう。より深い分析を、どこよりも速く人々に提示できるかどうか。情報発信は「安く」「速く」そして「深く」が求められるようになっていくのかもしれない、と感じた次第です。

*****

今年も1年、このシロクマ日報および Polar Bear Blog をご覧頂いてありがとうございました。ブログを始めて速くも3年が経過しましたが、今年は過去にも増して「あのブログ記事の件だけど……」と仰っていただける機会が数多くあったように感じています。来年も肩肘張らずに思ったこと、感じたことを書き連ねていこうと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。

2009年が皆さまにとって、思い出に残るような一年になりますように。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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