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短気になるネットユーザー

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ネットを見ていてイライラすることが、以前より多くなっていると感じませんか?そうだとしてもご安心を。それは一般的な傾向のようです:

Web users 'getting more selfish' (BBC News)

お馴染み Jakob Nielsen による、最近のネットユーザーに関してのコメント。ネットでは人々はあまり説明を読まず、短時間でサイトを離れることが多いというのは以前から指摘されていましたが、近ごろはその傾向がさらに強くなってきたとのこと。サイト運営者の認識以上に、人々はより短気になりつつあるようです。

Now, when people go online they know what they want and how to do it, he said.

This makes them very resistant to highlighted promotions or other editorial choices that try to distract them.

"Web users have always been ruthless and now are even more so," said Dr Nielsen.

"People want sites to get to the point, they have very little patience," he said.

現在の人々は、ネットに接続するときに自分が何を欲していて、何をすべきかを理解しているのだと博士は述べた。

そのため彼らは、ハイライトで表示されるプロモーション記事、または「編集部からのオススメ」のような記事に煩わしさを感じるようになっている。

「ウェブユーザーは常に無慈悲なものだったが、その傾向は強くなっている」とニールセン博士は述べた。

「人々はすぐに本題に入りたいと願っており、待たされるつもりはほとんど無い。」

とのこと。つまり人々の側に「ネットではこう振る舞えば良いのだ」という理解が生まれているために、自由に使わせてくれないサイトに苛立ちを覚えるようになっていると。時間とともにウェブサイトも洗練されるはずなのに、相変わらず使いづらいと感じるサイトが多いのは、この「使い手の側が慣れるスピードが速い」という面もあるのかもしれません。

例えばコンビニという形態が登場して間もない頃は、「コンビニ」と掲げられているお店に入ったのに中がデパートそっくりだったとしても、「あれ、このお店はどにに何があるんだろう?」と思ってフロアガイドを見てくれたことでしょう。しかし「コンビニとはどんなお店か」という理解が生まれたいま、それにそぐわないお店は「なんだ、コンビニだと思ったのに」と思ってすぐに出て行かれてしまうはずです。また普通のコンビニであっても、入ったら店員が駆け寄ってきて「いらっしゃいませ!今週のオススメは中華まんでして、それはレジのすぐ横にある四角いケースの中に……」と説明し始めたとしたら、「ウザいな、オレはおにぎりを買いに来ただけで、どの辺にあるか分かってるよ!」と言いたくなるはずですよね。

もちろんどんな人々をターゲットにするかによって変わってくるのでしょうが、ニールセン博士は「サイト運営者はこの点を十分理解しておらず、自分たちが提供するものをユーザーは喜んでくれるだろうと勘違いしている」と手厳しい意見を述べています。改めて、自分のサイトを利用して欲しいと考えているユーザーの実情を見直すこと。もしかしたら、「最近は短気な人が多いなぁ」という捉え方が、「ウチのサイトはまどろっこしいなぁ」という評価に変わるかもしれません。

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