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Google Earth で何を監視する?

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今朝は「ブラウザ上でも Google Earth が動くようになった」というニュースがあったのですが(ITmedia News の記事)、その Google Earth を使ってアマゾン(Amazon.com ではなく、地名の方ですよ)の熱帯雨林を守ろうというプロジェクトが進行中だそうです。以下、雑誌『クーリエ・ジャポン』2008年6月号に掲載されていた記事からの抜粋です:

アマゾンの先住民族がグーグルと協力して、熱帯雨林を環境破壊から守る取り組みを始めようとしている。同社が提供する衛星写真サービス「グーグルアース」を使って、違法な森林伐採や鉱山採掘を食い止めることができるのだという。

(中略)

グーグルは、米ホロコースト記念博物館と協力してスーダンのダルフール紛争の被害状況を衛星写真で提供するなど、近年、人道的なプログラムに積極的に関わってきた。今回はアマゾン上空からの高解像度の衛星写真をネットで見られるサービスを提供する予定だ。このサービスを使えば、世界中のユーザーが森林破壊の現状を監視・記録することが可能となる。

とのこと。決してリアルタイムの衛星画像ではないのでしょうが、ある程度頻繁に更新されるのであれば、緑が薄くなった部分を見つけて「ここで何が起きているんだろう?(違法な伐採なのか、何らかの汚染で枯れてしまったのか等)」と気づくことができるかもしれません。それこそインターネットを通じて多くの「目」が集まれば、異変を素早くキャッチすることも可能でしょう(Google Earth がブラウザ上で動くようになったということで、さらに「目」の数が増えるかも)。

実は似たような発想が、既に国境警備で導入されています:

みんなで国境監視 (Polar Bear Blog)

こちらもネットを通じて人々の力を借りようというものですが、監視の対象は米国とメキシコの国境線。ライブカメラの画像を見て、密入国者を発見したらクリックで通報してもらう……というもの。また同様の仕組みが、ネス湖のネッシー発見にも使われているそうです。

ただ監視の対象が「人」となると、倫理的な問題を引き起こすかもしれません。例えば密入国者にしても、犯罪を犯すために越境するだけでなく、生活のため止むに止まれずというケースもあるでしょう。またたとえ公共の場だとしても、姿を勝手に撮影して全世界に配信するのが許されるのか、というようなプライバシーの問題と結びつくのは容易に想像できるところです。

技術の進歩がさらに進めば、よりリアルタイムに近い時間間隔で、より詳細な衛星画像がネットで見れるようになるでしょう。またライブカメラの設置が進み、街中あらゆる場所を監視することが可能になるかもしれません。それを利用して、例えば道路状況を皆に監視してもらい、事故が起こりそうな場所・渋滞が起きやすい場所を通報してもらう……などというアプリケーションが登場するかもしれません。卑近な例では、指定日以外にゴミ出しする不届きな住民を見つける、なんてケースに使われるかもしれません。公共的な利益を追求するために、多種多様、かつ大量のデータを不特定多数の人々に提供するのがどこまで許されるのか。明確な線引きが求められる時代が、すぐそこに来ているのかもしれません。

< 追記 >

クーリエ・ジャポンの記事ですが、ネット上で公開されているものも一部あるようですね。幸いなことに、今回の記事は以下で全文を読むことができます:

アマゾンの森林破壊をグーグルアースで食い止めろ (COURRiER Japon hitomedia)

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