大企業ほど社内SNSに興味あり?
調査会社の Forrester Research が、いわゆる「エンタープライズ2.0」が2013年までに46億ドル(約4,600億円)の市場になると予測しています。市場規模がいまより大きくなるのは当然として、興味深いのはその中身です:
■ Forrester: Social networking will be biggest enterprise 2.0 priority by 2013; Smaller businesses reticent (ZDNet.com)
Forrester のアナリスト、G. Oliver Young が発表した調査結果について(元資料はこちらで確認できます)。まず紹介されているのは、大企業ほどWEB2.0系のツールに興味を示しているという点:
「購入予定(Buying)」と「検討中(Considering only)」を合わせた割合で考えた場合、Medium-Large 以上の企業(従業員数500名以上)で約半数がエンタープライズ2.0に興味を示している、という結果になっています。社員2万名以上のグローバル企業では、既に何らかのWEB2.0系ツールを購入している企業が5割を超えていますね。この結果について、ZDNet の Larry Dignan は「私の予想と逆の結果が出た(導入コストが安く済むし、生産性向上につながるのに)」と書いていますが、「エンタープライズ2.0=コミュニケーションを潤滑にするためのツール」的な捉え方をしている企業が多いのかもしれません。「ウチみたいな小さい会社には必要ないよ、だって社員全員が顔見知りだもん」という感じでしょうか。
次に分野別の予測。これを見ると、SNS(Social Networking)の占める割合がトップとなっています:
残念ながら企業サイズ別の表ではないのですが、仮に企業サイズによるバラつきがないとすれば、上の調査結果と合わせて「大企業は社内SNSに関心を示している」と言えるかもしれません。であれば、ますます「エンタープライズ2.0=大企業において、社員の交流を促すためのツール」という捉えられ方がされている疑いが濃くなります。
もちろんもっと詳しく調べてみなければ分からないですし、目的はともあれ社内SNSが導入され、コミュニケーションが促進されれば良いのかもしれません。しかし個人的には、エンタープライズ2.0の価値は単なる社員交流以上のものがあると考えています。例えば Wiki 等を活用したコラボレーションを経験することによって、肩書きを問わず問題解決に取り組もう、という社内文化が生まれてくるかもしれません。「エンタープライズ2.0とか言って大騒ぎしてるけど、それって社内SNSのことでしょ?ウチ、それもう導入済みだから」で終わってしまっては残念ではないでしょうか。