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違法ダウンロード、知識があれば若者は手を出さない?

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マイクロソフトの調査によると、正しい法律知識があれば、若者は違法ダウンロードに手を出さないという結果が出たそうです:

Teens Less Likely to Download Illegally When They Know the Laws, Microsoft Survey Finds (Microsoft)

調査はオンラインで、中学1年生から高校1年生に相当する10代の若者501名を対象に行われたもので、主な結果として以下のような内容が挙げられています:

  • インターネットから音楽やソフトウェア、映像や画像等をダウンロードする際のルールについて「よく知っている(understand very well)」と答えたのはたったの11%。約半数(49%)が「よく知らない(not familiar)」と答えた。
  • 法律について知っていると答えた若者の中で、82%が「違法ダウンロードは罰せられるべきだ」と答えた。逆に法律を知らないと答えた若者の中で「違反者は罰せられるべき」と答えたのは57%に止まった。
  • 他に違法ダウンロードに対する態度に影響する要因として、友人達からの圧力やコスト(どのくらいお金を出せるか)があった。

とのこと。マイクロソフトはこの結果を受け、「若者に対する教育が必要」として MyBytes というサイトをオープンさせています。これは中高生をターゲットとしたもので、オリジナルの着メロを作成・共有できるというサイトなのですが、「My Bytes (私のデータ)」という名前が示している通り(?)著作権や知的所有権についての知識も学べるようになっています。例えば以下のスクリーンショットの通り、ターゲットと同い年の若者がインタビューに答える(そして違法ダウンロードについて考えを改めてもらう?)というコーナーも用意されています:

Mybytes

マイクロソフトという、言うなれば「当事者」が実施したアンケートですので、どこまでこの結果を受け入れるかについては議論があるところだと思います(ちなみに詳しい内容は、こちらのPDFファイルで確認できます)。しかし言葉は悪いですが、着メロが作れるという「エサ」を通じてであれ、積極的に若者に語りかけるという姿勢は評価できるのではないでしょうか。著作権・知的所有権関連は ITmedia 上でも度々話題になりますが、一般の人々はそれほど詳しい知識を持ち合わせていないでしょう(正直言って、僕も法律論議はついて行くのが精一杯……)。知識を得た結果、現状の制度に賛成・反対のどちらになるにせよ、判断に必要な材料を目に付きやすい場所で提供するというのは必要だと思います。

また以前、ITmedia でも携帯フィルタリングについて若者に意見を聞くという記事がありましたが、彼らは決して「何も考えていない、何の分別もない子供」ではありません。難しい問題であっても一方的に「これはダメ」と禁止して終わりではなく、語りかけて一緒に考える姿勢が必要なのではないでしょうか。

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