新入社員から学ぶための5つのポイント
いよいよ3月目前です。そして4月は人事の季節ということで、ITmedia にも「新入社員に専門知識を教えるには」といった記事が出ていますが、現代はフラット化の時代。新入社員に「教える」だけでなく、新入社員から「教わる」という姿勢も大切なのではないでしょうか。
というわけで、個人的に大切だと思う5つのポイントを列挙してみます:
1. 「新人から教わることはない」という意識を捨てる
まずは当然の話ですが、「あいつらから教えてもらうことなどないよ」という意識を捨てなければ、何も目の中に飛び込んできません。仮に革新的な意見を言ったとしても、「フン、何も分からないのにおかしなこと言いやがって」で終わってしまうでしょう。新人は赤ちゃんではなく、様々な知識と経験を持った一人前の人間なのですから、彼らから学ぶべきものも多いはずです。
2. 「無知=無価値」という意識を捨てる
無知を裏返せば、固定概念に汚染されていないということになります。「この業界では昔からこうやってきた」で通ってきたことをぶち壊し、まったく新しいやり方を生み出す力を持っているのが新人たちではないでしょうか。「いまのやり方はこうなんだけど、君たちはどう思う?」といった質問を投げかけてみるのは、時間のムダではないはずです。
3. 教えるという行為から学ぶ
これも言うまでもないことですが、「教える」という行為自体から様々なことを学ぶことができます。教えてみて初めて、自分が「身に付いている」と思っていた知識が、実は曖昧なものだった・古いものだったと気づいたなんてこともあるでしょう。「教える」というより、「一緒に学ぶ」という表現の方が適切かもしれません。
4. 「教えて下さい」という姿勢を明確にする
特に奥ゆかしい日本人の場合、新しく組織にやってきた人々が、いきなり「その考え方は間違っている」などと声を上げてくれることは少ないでしょう。あなたたちの意見も重要だ、僕に教えて欲しいという態度を示さなければ、せっかくの情報が闇に葬られてしまうかもしれません。また自分個人が心がけるだけでなく、自由に意見が言える環境を作る努力が必要でしょう。
5. 新人の行動に目を光らせる
とはいえ、自由に意見を言うというのには限界があります。また言葉では表現できないけど、何となく違和感を感じるという場合もあるでしょう。「何も言ってこないから大丈夫だ」ではなく、新しい知識や環境に触れたときの新人たちの反応を見て、そこから何かを学び取るという努力も必要ではないかと思います。
……当然ながら、ポイントはこれだけではないはず。「こんなことも大切だよ」という点があれば、ぜひコメントいただきたいと思います。
ともあれ、フラット化された世界では、「教える側」「教わる側」の境界線を明確化・固定化してしまうのは無意味なことでしょう。「彼らをどうやって教育してやろうか」と考えるだけでなく、どう新鮮な考えを取り込み、活用するかも同時に考えなければならないと思います。