Twitter の Dunbar's Number
Dunbar's number (ダンバー・ナンバー、ダンバー数)という言葉を耳にされたことがあるでしょうか。恥ずかしながら、僕はこれから引用する記事で初めて知ったのですが、だいたい以下の通りとなります:
Dunbar's number, which is 150, represents a theorized cognitive limit to the number of individuals with whom any one person can maintain stable social relationships, the kind of relationships that go with knowing who each person is and how each person relates socially to every other person.
ダンバー数とは、安定した社会的関係を保っている集団(構成員がお互いにどんな人物で、社会とどのような関係を持っているかを理解している)の構成人数に対する理論上の上限のことであり、その数は150である。
(Wikipedia "Dunbar's number" より引用)
とのこと。もともと人類学者の Robin Dunbar が提唱したもので、大脳皮質の大きさから導き出された理論だそうです。ご興味のある方はリンク先の Wikipedia をご確認下さい(日本語ではこちらの記事に詳しく解説されています)。
で、この数自体の妥当性はさておき、注目すべきは「集団の構成員には適切なサイズがある」という点。この理論と、Twitter の following 数(SNSでの友達登録のようなものだとお考え下さい)を関連づけた記事がありました:
■ Twitter: What’s your Dunbar number? (mathewingram.com)
Publishing 2.0 という著名なブログを書かれている、Scott Karp 氏が Twitter に復帰したことを祝福したエントリ。ここで前述のダンバー数が登場し、「ある一定以上の規模の人々を follow していく(単に登録してあるというのではなく、交流が存在する形で)のは難しい」と述べられています。
この記事を読んで「それじゃあ平均的な following 数はどのくらいなんだろう?」と思い、ごく短時間にですが調べてみたのがこちら。調査方法には甘いところがあり、あくまでも参考値としてお考えいただきたいのですが(僕の方法や結果を絶対だというつもりはありません)、following 数50名以下のユーザーがほとんどだという結果が出ました。この結果は、Twitter を日頃から活用されている方には「そんなに低いの?」という感覚ではないでしょうか。
個人的にも「50」というのはあまりにも少ないな、という印象でした。いま僕(akihito)が follow している人々や、彼らの follow しているユーザーを見ても、100名以上を追っている方々が数多くいらっしゃいます。しかしこの数が正しければ、の話として、「いま Twitter 上を積極的に活用しているユーザーの方が例外的な存在であり、多数のユーザーはまだまだ一部の人々としか交流していない」という仮説が立てられるのではないでしょうか。今後は先進的なユーザーのように、100名を超える人々を follow していくのが普通になっていく可能性もありますが、ごく小さいグループで交流する方が平均的であるという姿にとどまる可能性もあるかもしれません。
個人的には、「どちらが正しい」というのではなく、大規模なコミュニケーションを楽しむ人・あくまでも実生活に近いレベルに止める人の2つの使い方が定着していくように感じます。ブログ以上に、人によって楽しみ方や受け止める印象が異なるサービスとなっていくのかもしれません。