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MyMiniCity に「ない機能」から考える

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Myminicity_7

昨日、Twitter 上でちょっとした祭りが起きていました。「MyMiniCity」というヨーロッパ発(?)のシムシティ風オンラインゲームが、またたく間に Twitter ユーザーの間に広まるという現象が起きていたのです。僕も訳も分からぬまま、「Polar Bear」という町を作ってしまいました(上のスクリーンショットが現在の様子)。詳しい話は、以下のエントリをご参照下さい:

Polar Bear City にお越し下さい。  
MyMiniCity 祭りと Twitter

このゲームをプレイしていると、何か違和感を感じます。それは「外国人がデザインしたから」「内容がよく練られていないから」といった感覚ではなく、まったく異なる思考回路で作られたゲームという感じ(ハリウッド超大作と日本の古典映画が比較できないようなイメージ)。例えば、以下のような機能があってもいいのでは?という気がします:

  • 作った町を簡単に紹介して、アクセスを集めるようなブログパーツ    
    (※これについては、早速りょーちさんが「MyMiniCity Info」というスクリプトを作成されています)
  • 他人の町を評価する仕組みと、さらに評価をランキング化する仕組み
  • 自分のプロフィールを掲載する欄(これはそもそも登録制になっていないので無理なのですが)
  • 誰がアクセスしてくれたかを知る仕組み(これも登録制ではないので無理なのですが)
  • 他人の「町」と何らかの形で連動する仕組み
  • 携帯電話からアクセスする仕組み

……などなど。遊べば遊ぶほど「なんでこの機能がないかなぁ」という気持ちになるのですが、よく考えるとこれって「最近流行っている機能」ですよね。他人とつながる、様々な経路でアクセスできる、ブログに反映できるなどなど……日本人が作ったゲームだったら、絶対にこれらのアイデアが入れられていたことでしょう。

しかし逆に言えば、「何が必要な機能か」「何がなくても大丈夫な機能か」を検証するのにうってつけの機会ではないでしょうか。例えば「自分のプロフィールが掲載できる」というのは最近どこでも見られる機能ですが、それを可能にするためには当然「プロフィール登録」という作業が必要になってきます。MyMiniCity ではそれを取っ払って、簡単な作業を行うだけで誰でもスタートできる/IDもパスワードも必要ないという仕組みになっており、それがクチコミを加速させる大きな一因となりました。プロフィールはないのですが、実は登録名を見れば「これは『はてな』のあの人かな?」「Polar Bear は小林かもしれない」などといった想像が可能で、個人的には「実はプロフィール登録って不要なことも多いのかも」と感じた次第です。

このように、たまには全く異なる発想に触れるのも重要なのかもしれませんね。それは他国のサービス(といってもアメリカ発では日本と似通ってしまう可能性がありますが)かもしれないし、過去のサービスかもしれません。いずれにせよ、「これはこうあるべきだ!」という無意識のバリアを打ち破るためには、日常を遠く離れてみる必要があると思います。

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