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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

機械が感情を理解する時代

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これは昨日の ITmedia の記事で、一番気になったニュース。ソニーのデジカメ「サイバーショット」シリーズに、「笑顔が分かるデジカメ」が登場するそうです:

ソニー、笑顔をとらえるサイバーショット「DSC-T200」 (ITmedia +D LifeStyle)

9月21日に発売される新モデル「DSC-T200」に、人間の笑顔を検出して自動的にシャッターが切れる「スマイルシャッター」機能が搭載されるとのこと。赤ちゃんや子供に「笑って!」などとお願いしても言うことを聞いてくれませんから、彼らの自然な表情を撮影するのにピッタリですよね。しかも「検知レベルの設定(3段階)も可能で、ほほえみから大爆笑までさまざまな笑い顔を写真に収めることが可能だ」というのだから驚きです。んー、実物で試してみたい。

この記事を読んで、以前読んだ別の記事を思い出しました:

Happy, Sad, Angry Or Astonished? Software Tells It All (ScienceDaily)

Fraunhofer Institute for Integrated Circuits IIS という研究所が開発した、人間の顔写真から感情を読み取る技術について。同じ画像内に多数の顔があっても、高速で処理することが可能なのだそうです。この技術によって、例えば「大きな看板を見ている人々の表情を読み取り、広告に対する反応を探る」「PCに向かっている人の表情を読み取り、あるアプリケーションがどの程度使いやすいかを探る」といったソリューションが可能になるのだとか。人間の表情は人種による差がないそうですから、この技術が日本に導入される(サイバーショットに搭載され、あらゆる表情を自動撮影できるようになる!?)日も遠くないかもしれません。

さらにもう1つ。こちらはご存じの方も多いと思いますが、セガ発売されているニンテンドーDS向けソフトに、こんなものがあります:

音声感情測定器 ココロスキャン

「世界初、声から感情を読む取るゲームソフト」だそうです(ちなみにAMNでココロスキャンのイベントを開催していますので、ご興味のある方はこちらの記事をどうぞ)。声と表情という違いはあれど、機械が人間の感情を理解するという時代が始まっているのですね。

「機械に感情なんて」という反応も当然あると思いますが、個人的にはこうした取り組み、大きな可能性があるのではないかと思います。例えば電話で喋った声から感情を判断して、持ち主がイライラしている時は自動的にマナーモードになる(着信音で刺激することがない)携帯電話とか。内蔵カメラでユーザーの表情を自動認識して、疲れているときは自動的にスクリーンセーバーが立ち上がる(「ちょっと休みませんか?」という提案付き)PCとか。夢のような話ですが、機械と人間の関係をちょっと柔らかくしてくれるかもしれません。

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