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「YouTube対応デジカメ」が拓く世界

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また1つ YouTube の勢いを象徴するようなニュースが。カシオが「YouTube 撮影モード」付きのデジカメを発売するそうです:

YouTube撮影モード付き新「EXILIM」 (ITmedia News)

カシオ計算機が発表した、新しい EXILIM シリーズについて。デジカメとしての性能については記事を参照していただくとして、何より注目は「YouTube 撮影モード」。YouTube に最適なサイズ(640×480ピクセル)の動画を最大10分間撮影できるモードで、さらに付属の専用ソフトを使えば、最小2ステップで YouTube にアップロードできるようになるとのこと。ハードが他社のウェブサービスの規格に対応するというのは、珍しいケースではないでしょうか。

この YouTube 撮影モード、動画も「個人的に楽しむ」という時代から「皆に見てもらう」という時代に変わったことを象徴しているのかもしれませんね。これまで動画を撮影するというと、「子供の運動会を撮る」「旅行の風景を撮る」など、個人もしくはごく限られた集団(家族や友人など)の中だけで消費するコンテンツを作る行為だったと思います。もちろんそういったプライベートなコンテンツを、誰でもいいから多くの人に見て欲しいという欲求(子供自慢とか)はあったと思いますが、最初から不特定多数の人々に公開する目的で撮影するというのは少数派だったでしょう。しかし「YouTube 撮影モード」はまさしくウェブで公開することを前提にしているわけで、撮影したコンテンツの楽しみ方が大きく変わってきているのだ、ということを示しているのではないでしょうか。

逆に YouTube 対応カメラが登場することで、そういった「動画を公開して楽しむ」という文化が促進される効果もあるのでしょうね。最初から「これは YouTube で公開するための映像ですよ」という意識で撮影されれば、撮影する側もされる側もそれに応じた行動を取るようになり、ますます「ウェブ向きの映像コンテンツ」というものが生まれてくるのかもしれません。ブログというツールが「読んでもらうための文章」を書くことを促し、数多くのコンテンツをウェブにもたらすようになったように。

ということで、実は僕は「自分で撮影した動画を YouTube にアップする」という経験をしたことがないのですが、こんなデジカメがあったら「試しに撮影してアップするか」という気になるかもしれません。まだ自宅にあるデジカメは新しいので、買い換えることはまずないでしょうが、ちょっと手にとってみたくなった次第でした。

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