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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

今日1日、形容詞は禁止です。

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以前、某テレビ局の番組で「3人の大物芸能人がゴルフをプレーする」という企画がありました。その中で「英語禁止ホール」というコーナーがあり、文字通り英語を話すとペナルティが付くという内容だったのですが、これがなかなか大変。日本語を使えばいいんだろ、というと簡単なように思いますが、英語は意外に身に染み付いてしまっているもので(そもそも「ボール」からして英語ですし)、3人が苦労する姿が爆笑ものでした。

で、会社の中でもこの「○○禁止ホール」というアイデアが使えるかもしれません。最近"Beyond Buzz: The Next Generation of Word-of-Mouth Marketing"という本を読んだのですが、その中で「心に響かない売り文句を回避するテクニック」として、こんなものが紹介されていました:

Another small deprogramming technique is to put a moratorium on the use of adjectives in marketing and sales communications. This isn't a writing exercise. Rather, it's a way to force people to explain what they mean in a more plainspoken and direct way. It gets them to explain instead of proclaim and to teach versus preach.

If the sales presentation starts with, "We have the most vibrant, vital, industry-leading products," but it is now left with, "We have products," the marketer is forced to explain the value of the company in a new way. Instead of using adjectives to describe your product, open with description of your company's beliefs.

もう1つのちょっとした「脱従来型思考法」テクニックは、形容詞を使わないようにすること。これは作文のトレーニングというより、率直な説明ができるようになるためのトレーニングです。何かを「宣言する」のではなく「説明する」ように、また「説教する」のではなく「教育する」ようになれます。

例えば「当社には活力に満ちた、業界をリードする製品があります」というスピーチは「当社には製品があります」となり、マーケターは新しい説明法を考えなければなりません。形容詞で説明するのではなく、会社の信念から説明するようにしましょう。

確かに宣伝物を見ていると、意味の無い形容詞って多いですよね。例えば「業界初!○○システムの採用により、より健康的で、より快適な室内空間を実現します」などという売り文句も、形容詞を取れば「○○システムの採用により室内空間を実現します」となってしまいます。「室内空間」だけでは何のことやら分かりませんから、実質的にこの文章は「○○システムを採用した」ということだけになってしまうでしょう。これはちょっと極端な例ですが、形容詞は本質を語ることを妨げてしまうわけですね。

そんなわけで、マーケティングに限らず社内で文章を考えているとき、こんな「形容詞禁止の時間」を設けてみたら面白いのではないでしょうか。冒頭の「英語禁止ホール」のように、いかに自分が形容詞まみれになっているか、気づくことができるかもしれませんよ。かく言う自分もブログを書いているときは、ついつい余計な形容詞を使ってしまうのですが……。

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