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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

既に各所で紹介されていますが、『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』を買ってきて読んでいます。対談コーナーで登場されている小飼弾氏が、「今までやった対談の中では、一番リミッターが外れた対談」をしていると宣言していることでも話題の本(確かにお二人の対談は、プログラムといえばABAPぐらいしか知らない僕には半分以上理解できませんでした……)。その中で、ひろゆき氏が「ニコニコ動画」の面白さについて解説した部分があります:

ニコニコ動画には、YouTube と違い、動画に対してコメントを書き込むシステムが導入されています。ユーザーは、この機能を使って他のユーザーと会話がしたいだけなのです。お茶の間でテレビを観ながら友達と話しているとき、テレビに映っている映像が何であろうと関係はない。ニコニコ動画の場合も、ただ会話がしたい、ただそのネタが欲しいというだけであって、動画の内容はどうでもいいことが多いのです。

(中略)

YouTube からアクセスブロックされた際、YouTube の動画が使えなくなることで、ユーザー数が減ると思われていましたが、YouTube の動画が使えなくなってもユーザー数は増えています。結局、見る動画は何でもいいということなのです。

この文章、「どうでもいいコンテンツを面白く変えてしまう『ニコニコ動画』ってスゴイだろ!」という自画自賛のようにも取れますが、実は世の中の人々って「コンテンツ自身が面白い」という理由から何かのコンテンツを消費することって少ないのでは、と指摘しているように思えます。

「かつてテレビドラマは、職場・友人・親子などでの共通の話題を提供するための装置だった」という指摘を以前読んだ記憶があります。あるテレビドラマを見続けるのは、それが面白いという理由の他に、見ていないと話題に乗れないからという理由があるのだという指摘ですね。その指摘+上記のひろゆき氏の指摘が正しいとすれば、「ニコニコ動画」はコンテンツの面白さではなく「他者とコミュニケーションすることの楽しさ」を追求して成功した事例だと考えられるでしょう。

続く文章で、ひろゆき氏はこのように述べています:

違法な動画は確かに面白いのですが、『あるある大事典』のような「問題番組」を、仮に1億円のスポンサー料金をもらったテレビ局がどうやって作っているのかというと、素人あがりの20~30代の制作者が頭を使って、1000万円程度の制作予算の中で作り出している。そう考えていくと、ニコニコ動画であろうがテレビ局であろうが、作られる動画に格段の差はないのかもしれません。

カネをかけたコンテンツと、素人の作るコンテンツに極端な差がないのであれば、どちらが人気を集めるかはそれが流れるメディアの性能で決まる……その性能の1つが「他者とコミュニケーションする仕組み」だとしたら、ニコニコ動画はテレビ局の強力なライバルとして成長することでしょう(もっともひろゆき氏が、ガツガツとビジネス化を進めるタイプだとは思いませんが)。

ニコニコ動画が今後も成功するかどうかは別にして、テレビ局が思っているほど、視聴者は現在テレビで流れているコンテンツを欲しがってはいないのかもしれませんね。実際僕もテレビを観る時間が極端に減っているし、YouTube にアップされている違法動画がすべて削除されてしまっても、別の楽しみを見つけると思います。著作権などの問題から、テレビ局が違法動画に削除申請するのは仕方のない面もあると思いますが、コンテンツが流通するチャンスを減らす(=そのコンテンツで他者とコミュニケーションするチャンスを減らす)ことは結局自身の首を絞めることにつながりかねないのではと思います。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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