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SNSが卒業アルバムになる日

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最近、mixi の会員数が1000万人を突破したというニュースがありましたが、SNSはコミュニケーションのインフラとして無視できない存在になりつつあります。その結果、従来のコミュニケーションツールにこんな影響が出ているケースがあるそうです:

From Facebook To a Yearbook, Teens Get a Jolt (washingtonpost.com)

アメリカの大手SNSに"Facebook"というサイトがありますが、ある高校の卒業アルバム(yearbook)の中に、Facebook に掲載されている画像が転載されていた……という話。プロフィール画像や過去のパーティーでの写真など、ユーザーの承諾なしで勝手に使われていたのだそうです。卒業アルバム製作スタッフ(在校生)が時間に追われ、「そうだ、Facebook の画像をダウンロードしよう」と思い立ってしまったのだとか。

Washington Post の記事はその後、「プライベートだと思っていた情報は簡単にパブリックになる、もっと気をつけよう」という論調になっていくのですが、同じ事件からこんなことを主張されている方もいます:

Who Needs A Yearbook When You Already Have Facebook.com? (Techdirt)

「Facebook があるのに Yearbook を必要とする人がいるのか?」というタイトルが結論を示していますが、「卒業アルバム」という発想の方が古いんじゃないの?という話。確かにプロフィールも思い出の画像も全てSNS上に揃っているならば、わざわざ紙のアルバムに再加工する必要はないのかもしれません。さらにネットを通じてどんどん写真を提供してもらう(参加型卒業アルバム!)、などということもできるでしょう。また「卒業アルバム」では同期の情報しか掲載されていませんが、SNS上の「デジタルアルバム」であれば「僕が1年生のときの先輩一覧」「3年生のときの後輩一覧」などの切り口で閲覧することも可能……などなど、新しい使い方が次々浮かんできます。

もちろんデジタル・ディバイドやセキュリティの問題など、クリアすべき課題は多いでしょう。しかし日本でもSNSが「懐かしい同級生に再会できた!」などといった体験を提供しているように(実は僕自身も最近これを経験しました)、「学校」という切り口でのコミュニケーションのプラットフォームになる下地は整っています。紙媒体でのアルバムは残しつつも、例えば同窓会団体と大手SNSが提携して、専用ページを設置する……というケースが普通になるかもしれません(SNSにとっては新しい収入源になりますしね)。

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