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決して最先端ではない、けれど日常生活で人びとの役に立っているIT技術を探していきます。

連休中、映画『スパイダーマン3』を観てきました。個人的には前2作の方が面白く感じたのですが、映像はさすがの一言。上下めまぐるしく移動しながらの戦いと、敵キャラクターの造形美を観るだけでも映画館に足を運ぶ価値はあると思います。

今回のスパイダーマンには、「ヴェノム」という悪役が登場します。ストーリーに深く関わっているので詳しくは説明できないのですが、「一定の姿を持たない寄生生物で、寄生した宿主の能力を増幅させる」というバケモノです。これがやたら強力で、スパイダーマンは大苦戦する……のを見て、ふと「ああ、相手の力を引き出すだけでこんなに強くなれるんだなぁ」などと感心してしまいました。映画のキャラ相手に感心も何もあったものではないのですが、たまたま日経ビジネス最新号に「企業合併の失敗」に関する特集が組まれていたのを思い出し、映画とMAをなぞらえてしまったのです。

実は日経ビジネスの特集で取り上げられた例の中で、個人的に関心のある事例があります。それはダイムラー・ベンツとクライスラーの合併。Babson College 在学中に、かつてクライスラーの社長・ダイムラークライスラーの副会長を勤めたThomas Stallkamp 氏の授業を受ける機会がありました。授業中、何度かダイムラーとクライスラーが合併する際の裏話を聞かせてくれたのですが、そこで指摘されていたのは「いかに両者の文化が違っていたか」ということ。さらに文化が違っていただけでなく、「いかにドイツ人(=ダイムラー経営陣)が態度を改めようとしなかったか」についても語られていました。その話を聞く度に、「ダイムラークライスラーって大丈夫なの?」と感じていたのですが、残念ながらその不安は的中しつつあるようです。

誤解を恐れずに言えば、合併において「文化が違うこと」は問題ではありません。まったく同じ歴史を歩んできた会社など存在しないのですから、大なり小なり社内文化が異なるのは当たり前のことでしょう。問題はその違いが乗り越えられるかどうか。ダイムラーのように、自分達のやり方を相手(クライスラー)に押し付けるという態度では、うまくいくはずがありません。「真剣な話に子供じみた例えを出すな」と叱られそうですが、そう、ヴェノムのように相手に姿を合わせて、潜在力をうまく引き出してやるというのが正しいアプローチではないでしょうか。

「自分のやり方を押し付けるのではなく、相手の力を活かす」という態度は、合併などという大きな話だけでなく、日々の業務でも重要でしょう。プロジェクトで協力する社内・社外の人々や、部下やアシスタントの人々。場合によっては上司達に対しても、相手の能力をうまく引き出すことが必要になってくると思います。ともすれば、人は自分のやり方を押し通したいと思ってしまうものですが、それではスパイダーマンを苦しめるほどの力は手にできないのかもしれません……などと教訓めいたことを考えずとも、『スパイダーマン3』、十分に楽しめますよ。

アキヒト

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小林啓倫

小林啓倫

株式会社日立コンサルティングの経営コンサルタント。WEBサービスの企画・運営、新規事業の立案などに携わる。個人でPOLAR BEAR BLOGも執筆中。

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