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321回目のエントリ

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食い逃げされてもバイトは雇うな』を読みました。前作『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』同様、山田真哉さん独自の視点から「事業に関する数字をどう読み解くか」が語られていて、楽しめる一冊です。ただ「1時間で読み終える分量を目指した」とのことで、初歩レベルの解説となっていますから、高度な内容を期待するとちょっと不満を感じるかもしれません。

同書の中で面白いと感じた話を1つ。あるとき飲み会をすることになり、山田さんに集合場所と時刻を知らせるメールが送られてきました。そこにはこう書かれていたそうです:

今夜6時53分に渋谷ハチ公前に集合。

なぜ7時ピッタリではないのか?53分という端数に理由があるのか?説明は一切ありません。戸惑いながら待ち合わせ場所に行くと、こんな種明かしをされました -- 「53分」に特に深い理由はない。ただ、端数にすれば数字(待ち合わせの時刻)に意識が向くようになり、遅刻が減るだろうと考えたとのこと。実際、参加者はみな時刻通りに集まったそうです。

このような「数字で注意を引く」というテクニックの例が他にも紹介されているのですが、確かに使えるかもしれませんね。小売店でお馴染みの「1個98円」といった表記法がすぐ頭に浮かびますし、テレビ番組の開始時刻が「7時58分」のような端数だと観るのを忘れなかったりします(もっともこれは「他の番組より少し早くスタートすることで視聴率を良くする」というテクニックの結果だそうですが)。積極的にこのテクニックを使わないとしても、「分かりやすいだろうと思ってピッタリの数字を使うと、注目されなかったり、覚えてもらえなかったりする危険がある」という逆の見方で覚えておいても良いかもしれません。

というわけで、このエントリのタイトルには「321回目」という数字を使ってみました。このタイトルに引かれて内容を読まれた方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?ちょうど「3・2・1」という逆順に並んだ数字なので、より「何らかの意味があるに違いない」と感じた方がいらっしゃるかもしれません。すみません、上記の通りまったく意味のない数字ですので、忘れてしまって下さい!

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