箇条書き vs. 物語り
【ブログを続けるための3ヵ条】
- 普段見ていない情報源をチェックしよう
- 批判を恐れずに書こう
- 書く時間を決めて、習慣化しよう
「ライフハック」という言葉がすっかり定着した感があります。僕もライフハック系の記事は好きで、よく読んでいるのですが、上記のようにアドバイスを箇条書きにまとめているものって多いですよね。確かに箇条書きになっていると、要点を短時間に飲み込むことができて便利です。また自分のブログで「~するための○ヵ条」というエントリを書くとアクセスが急上昇するのですが、皆さん「箇条書きエントリ」が好きということを示しているのでしょう。
しかし、ここで質問です。最近読んだ「箇条書きエントリ」の内容、どこまで覚えていますか?実践していなくてもかまいません(知識と実践の間には高い壁がそびえ立っているので)。どのくらい思い出すことができるか、試してみて下さい。思ったよりも少ないのではないでしょうか。
箇条書きになっていると、すぐに読めて理解しやすい -- はずなのに、心には残らない。以前も引用した本"Made to Stick"では、この現象を「人間は抽象的な情報を処理するのが苦手」という理由で説明しています。例えば「1 + 1 = ?」という問題を出されるよりも、「リンゴが1個ありました。バナナも1個ありました。リンゴとバナナ、合わせて何個ありますか?」と聞かれた方が、正解率は高くなるのだとか。ある問題に対する解決策の中から、どんな人・場面でも普遍的に使えるアイデアを抽出してまとめたのが「ライフハック」だとすれば、ライフハックは本質的に理解しづらいもの -- という逆説的な結論が導き出せるかもしれません。
その対策として同書で紹介されているのが、「物語り(ストーリーテリング)」の活用です。ストーリーテリングをビジネスに応用することについては、様々なところでその効能が訴えられているので、ご存知の方も多いと思います。しかし長々話をされるよりは、要点だけをまとめた「ライフハック」系の伝え方が望ましい、と考えられてしまうのではないでしょうか。しかし「箇条書き」と「物語り」、情報を伝えた直後ではなく数ヵ月後・数年後にどの程度実践されているかを確認した場合、「物語り」で伝えられた方が人々の心に残っていた -- という結果が出るかもしれません。
というわけで、冒頭の3ヵ条にある「1.普段見ていない情報源をチェックしよう」というアドバイスを、僕の物語として書き直してみようと思います。果たして、どちらの方が心に残るでしょうか :
先日、料理業界の専門誌を手にしてみました。もちろん僕はレストランを経営しているわけではありません。しかし、「競合店を視察する際のチェックポイント」など、自分の仕事でも参考になるような情報で溢れていることに驚きました。僕の業界で料理業界の専門誌に目を通している人などめったにいないでしょうから、この情報をブログに書けば、多くの人に役立ててもらうことができるはずです。このように、普段の仕事から離れたところに目を向けてみれば、様々な情報が転がっていることに気づくのではないでしょうか。