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求む?日立発Web2.0

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大企業も WEB2.0 が気になっているけれど、ベンチャー企業とはお付き合いしたくない -- Richard MacManus 氏 のブログ"Read/Write Web"で、アメリカの調査会社 Forrester Research が発表したこんなレポートが紹介されています:

CIOs Spurn Web 2.0 Startups - Enterprises Want Suites and Large, Incumbent Software Vendors (Read/Write Web)

タイトルを訳すと「CIO、WEB2.0ベンチャーを拒絶 -- 企業はパッケージ化されたソフトと、既存の大手ソフトウェアベンダーを望む」といったところ。これだけで内容が想像できてしまうと思いますが、米企業のCIO119名にアンケートを取ったところ、「ブログ、Wiki、ポッドキャスト、RSS、SNS、タギング」などのソーシャル・ソフトウェアを導入したいという意向は持っているものの、それを「パッケージソフトとして、既存の大手ベンダーから買いたい」という傾向が強かったそうです。

WEB2.0 系のテクノロジーに限らず、IT投資に関しては、「既製品を大手から買いたい」というのは企業にとって自然な考え方でしょう。効果と安定性が実証されているパッケージを、アフターケアを保証してくれるベンダーから購入できるなら、リスクを最小限にすることができます(実際には「リスクを最小限にしたと信じられる」と言った方が正確かもしれませんが)。ただしMacManus 氏も指摘されているように、問題は WEB2.0 系アプリケーションの多くがベンチャー企業から発表されている点。大手から提供されていないという理由だけで導入を躊躇していては、新しいテクノロジーの恩恵を受けることができません。

このアンケートはアメリカの企業を対象に行われたものですが、日本でも似たような状況でしょう。実際、「『聞いたことのないメーカーだから』という理由で導入を却下された」「オープンソースのソフトを入れようとしたら認めてもらえなかった」という話をいくつか聞いたことがあります。せめて門前払いにするのではなく、導入のコストとメリットを理性的に検討するような姿勢を持っていただけると良いのですが。

ただしこのアンケート結果は、「既存の大手ベンダー」にとっては朗報かもしれませんね。とりあえず効果が実証されている WEB2.0 系テクノロジー(Blog + SNS + Wiki あたりでいかが?)を集めてパッケージ化してしまえば、ちょっと宣伝するだけで飛びついてくる企業が多いのでしょう。ただしその結果は「やっぱり WEB2.0 なんて使えなかった、またベンダーの口車に乗せられた」という空気が広まって終わりということになりそうですが……。

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