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ロゴデザインの生まれ方

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僕は絵心が無いので、上手に絵を描けたり、デザインができたりする方のことを無条件で尊敬してしまいます。どうやったら彼らを真似できるんだろう?と思うこともしばしば。今日はデザイン関連のブログを集めた"Design-Feed"を見ていたら、あるデザイナーの方がロゴデザインの過程を解説されていて、思わず見入ってしまいました:

Step-by-step logo (Ideabook Tutorials)

Chuck Green という方が、Metro Aviation 社(ヘリコプターの輸送やメンテナンスを行う会社とのこと)のためのロゴをデザインするまでを、文字通り「ステップ・バイ・ステップ」で見せてくれています。ちなみに、ロゴの完成形はこんな感じ(上記の記事より転載したものです):


鳥のように見えるマークは、実はハチドリを象ったもの。ハチドリはご存知の通り、空中でホバリングすることができる鳥ですから、ヘリコプターを扱う Metro Aviation 社にはピッタリということですね。こうして完成したロゴを見ていると、最初からこのデザインしか無かったかのように感じてしまいますが、実際には様々な紆余曲折があったことが分かります。詳細はぜひ、上記の記事にアクセスして確認してみて下さい(ちなみに中間デザインの全てを収めたPDFファイルも公開されています)。

このデザインが完成するまでを見ていると、専門用語で何と言うのか分かりませんが、様々な「飛び」と言うべきものがあることが分かります。例えば最初はヘリコプターそのものをデザインに取り入れようとしていたのですが、ヘリコプターをハチドリへとスライドさせるアイデアが生まれ、そこからハチドリの図式化が始まります。次に「ホバリングの動きを(ヘリコプターのローターのように)円で象徴する」という発想が生まれ、「翼」が「円」へとスライドします。最後に円の位置を「ハチドリの体の周囲」から「体の上」へとスライドし、翼を戻して最終形に。グラフで表すとしたら、最初のラフスケッチから最後の採用案まで一直線に伸びる線ではなく、まるで棒グラフのように所々に「急上昇」がある線となるでしょう。

もちろんこれは Chuck Green さんのやり方で、最初から天才的なひらめきに打たれるタイプの方など、個人によって様々な手法があるのでしょう。しかし徐々にデザインを「飛ばし」ていくやり方というのは、1つの発想法として、私たちも参考にできる部分があるのかなと思いました。

ちなみに Green さん、最終形の1つ前のデザイン(円がハチドリの周囲に位置しているもの)の方が気に入っていたそうです。しかしクライアントの一言で変更、それに対して「お金を払うのは僕じゃないから」とコメントしています。そういった割り切りも、プロのデザイナーには欠かせないのかもしれませんね。

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