僕だってその気になれば、誰にでも分かる文章が書ける。正直、そんな慢心がありました。しかし『暮しの手帖』26号(2007年2-3月)の特集を見て、まだまだ勉強が足りない、という気持ちになっています:
■ 商品テスト GPS機能の付いた子ども用携帯電話をテストする (『暮しの手帖』26号 pp.5-17)
最近流行りの「子供向け携帯電話」に関する記事。タイトルの通り、GPSによる持ち主(子供)の居場所確認サービスを中心に、その使い勝手や性能を比較しています。ではその文章はというと、こんな感じ:
今、売られている子ども向け携帯電話は、3機種あります。
3つ機種は、携帯電話のサービス会社(キャリア)から出ています。NTTドコモ、au、ウィルコムの3社です。ウィルコムは、聞きなれない人もいるかもしれませんが、PHS携帯電話のサービスをしているサービス会社です。ただし、NTTドコモとauの子ども向け携帯電話機を作っているメーカーは三洋電機、ウィルコムの方はバンダイですから、3つの機種のメーカーは2社ということになります。
(中略)
では、子どものいる位置はどれくらい正確にわかるのでしょうか?
「お子さまの居場所がわかります」などと宣伝されていますが、どれくらい正確に場所が示されるかがいちばん知りたいところです。もし、不正確であれば、子どもを探すには役立たないからです。
一部の抜粋だと感じが伝わらないのですが、極めて修飾語・修飾文が少なく、必要な情報だけを短い文章でまとめています。またスペースも多く、IT系雑誌・WEB記事の派手な見てくれに慣れているせいか、非常に落ち着いて見やすく感じられました。もしチャンスがあれば、実際の紙面全体を見ていただければと思います。
『暮らしの手帖』の読者層がどのような人々か正確には分かりませんが、50代~の主婦層、といったところだと思います。そういった人々向けに携帯電話の記事を書け、と言われたら、ここまでシンプルにできるでしょうか?ITmedia のこの記事や、この記事あたり比較してもらえば、『暮らしの手帖』の記事が単に語句のレベルで言い換えたものではなく、文章全体が異なる視点から書かれたものであることが分かるでしょう(もちろんどちらが良い、と言いたいわけではありません)。
住む世界がまったく異なる人々に向けて、分かりやすい文章を書く。そのためには、当然のことですが、小手先の技術以上のものが求められるのでしょう。それをどのように習得するか……『暮らしの手帖』を眺めながら、こういった雑誌を読むということも役に立つのかもしれないなぁと感じました。
Special
- PR -| Bar | 2007/02/11 17:11 |
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こういう批評を書いていらっしゃる方が尊敬に値する方だというのは確かで同意します。 ただ、IT系に限らず専門的なメディアでは平易を心がけて書くと逆に「不正確だ」と批判されますからねえ…。いわゆる“揚げ足とり”なんですけれど。その追及の手は、こういう生活誌にもときには及んだりして。 ライターというのは本来的には状況・相手に応じてどのような文体でも書けるプロフェッショナルでなくてはいけません。専門誌の文章に特有のわかりにくさがあったり、過剰修飾があったりするのは、書き手の問題というよりむしろ“読み手がそれを受け入れるかどうか”という問題じゃないですかね。読み手がもっと成熟すれば、IT系メディアの記事はもっとわかりやすく読みやすくなるのかもしれません。 | |
| ぴぴ | 2007/02/12 16:41 |
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「暮らしの手帖」は、子供の頃、家にあったものをよく読んでいました。そういわれてみると、あの雑誌の中の文体は、非常に特徴的だったような気がします。噛んで含めるような、そして語りかけるような文体でした。アキヒトさんが例示された文章がまさにそうですから、今も変わっていないんですねぇ。編集長の方針なんでしょうか。初代の編集長さんが亡くなったのはずいぶん前だったように思いますが。(私がよく読んでいたのは、初代編集長の頃) | |
| アキヒト | 2007/02/12 17:22 |
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> Bar さん | |
| アキヒト | 2007/02/12 17:28 |
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> ぴぴさん | |

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