YouTube がテレビの救世主となる?
祝日なので、今日はちょっとしたネタで。相変わらず話題となっている YouTube ですが、先月アメリカの CBS とコンテンツ配信で提携したことをご存知の方は多いと思います。念のため ITmedia の記事を載せておくと:
■ YouTubeがCBS、SONY BMG、UMGと提携 (ITmedia News)
「CBSのCSTV NetworksおよびShowtime Networksの所有するニュース、スポーツ、エンターテインメントなど様々なショートビデオを、YouTubeで配信する」ということになったのですが、その効果がこのほど発表されたそうです:
■ CBS says YouTube is helping ratings (Lost Remote TV Blog)
タイトルにある通り、YouTube によって視聴率がアップしたことを CBS が認めたとのこと。プレスリリースにあるポイントを箇条書きにしてみると:
- 提携後1ヶ月で、CBS は YouTube に300本を越えるクリップをアップロード
- 1日あたり平均ページビューは85万7千。
- YouTube の CBS チャンネルを購読しているのは2万ユーザー以上。
- アップされた番組の視聴率には上昇が見られた。例えば“Late Show with David Letterman”は5%のアップ、“The Late Late Show with Craig Ferguson”は7%のアップなど。
この結果、「提携によって CBS、YouTube 双方が双方新たな視聴者を獲得した」と述べられています。
YouTube は著作権に違反するコンテンツがアップされてしまうことで問題になっていますが、逆に膨大な視聴者に目をつけた企業が、マーケティングに活用しようとしていることはご存知の通り。今回「視聴率のアップは YouTube だけが原因とは言い切れない」としながらも、客観的なデータが出てきたことで、テレビ局がビデオ共有サイトを活用しようという流れが強くなっていくことでしょう。まさしく YouTube がテレビの「救世主」となるのでしょうか?
もしかしたら、今後は「テレビで放映された番組のファンになる → YouTubeで過去のコンテンツを探す」という流れよりも、「YouTube でアップされたコンテンツのファンになる → そのコンテンツに関する番組(最新エピソードや限定エピソードや登場人物・製作者へのインタビューなど)をテレビで観る」という流れの方が強くなるのかもしれませんね。言うなれば、テレビは一種の「オフ会」の場として、ファンが同じ時間と経験を共有する装置として存在意義を見出す・・・という将来像も描けるかもしれません。