タグクラウドの意外な使い方
ソーシャルブックマークサービスは、本当にいろいろな情報を拾ってくれて便利です。今日も「はてなブックマーク」を見ていたら、こんなサイトが人気を集めているのを見つけました:
■ US Presidential Speeches Tag Cloud
アメリカ合衆国大統領の演説からキーワードを抽出し、タグクラウド(キーワードの一覧、頻出キーワードほど大きく表示される)形式で表示したもの。なんと1776年のアメリカ独立宣言直前から、最近のブッシュ大統領(子)まで200年以上のスピーチが対象になっています。
例えばこれは、かの有名な(?)ケネディ大統領の就任演説(1961-01-20 Inaugural Address)のタグクラウド:
"We observe today, not a victory of party ..."で始まる有名な演説。タグクラウドにすると"strength" "freedom" "cooperation" など、国民を鼓舞するキーワードが頻出しているのが分かりますね(もっともそれが大統領就任演説の性質だとも言えますが)。一方こちらは、ブッシュ現大統領の就任演説(2001年):
"freedom"や"economy (economic)"など共通のキーワードも目に入りますが、ブッシュ大統領のタグクラウドでは"cooperation"ではなく"commitment"というキーワードが登場し、"freedom"よりも"families"というキーワードの方が大きく表示されている(より多く使われている)のが特徴的です。
ちなみにこの「スピーチ・タグクラウド」、日本の首相版が早くも登場しています:
■ Japanese Prime Minister Speeches Tag Cloud - 日本の首相演説のタグクラウド
こうして演説をタグクラウド化し、歴代の演説を追ってみると、当時の時代の「空気」といったものが感じ取れます。もちろんこれだけで客観的な分析をすることはできませんが、全体像や傾向を把握するのには十分有効でしょう。政治家の声は時代を反映するということ、大統領(首相)のスピーチは定期的に行われるということに着目した、非常に良いアイデアだと思います。
もともとブログなど、「みんなの声」の傾向を可視化するために使われてきたタグクラウドですが、今後はこのように意外な使われ方が工夫されていくかもしれませんね。歌の歌詞を使った「Hip Hop タグクラウド」や「J-POP タグクラウド」、「演歌タグクラウド」なんてものがあっても、時代の変化を読み取れるかもしれません。