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ストーリーのある塩

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昨夜は品川のオイスターバーにて会食。そこでこんな塩が置かれているのを見つけました:

青を基調にした円筒形のボトルで(ある方曰く「プリングルスかと思った」)、中心に大きなクジラの絵が描かれています。その下には"La Baleine"(ラ・バレーヌ)の文字(baleine とはフランス語でクジラの意味)。なかなか味のあるデザインで、オイスターバーの雰囲気にもピッタリでした。

この「バレーヌ」、フランスで一般的な塩だそうで、南仏のエグ・モルトという町で精製されているとのこと。エグ・モルトとは「死んだ水」という意味で、その名の通り、周囲をカマルグという湿原が取り囲んでいるのだとか。これは塩だけに、なかなか"味"のある一品のようです。

さらにパッケージに描かれているクジラのイラストは、イラストレーターのバンジャマン・ラビエ氏により1930年代に描かれたものとのこと。ラビエ氏はキリ(チーズ)の有名な「笑う牛」をデザインされた方で、バレーヌ・マークはフランスの文化遺産となっているそうです。詳しくはこちらのブログで紹介されていますので、ご参照を:

塩デザイン(FUROSHIKI-BAG フロシキバッグのつくりかた)
塩もチーズも(FUROSHIKI-BAG フロシキバッグのつくりかた)

たかが塩で、と言ってしまうと失礼かもしれませんが、こんなありふれたものでも魅力的なストーリーを持つことができるのですね。最近話題となった『ハイ・コンセプト』でも、"「議論」よりは「物語」を"という表現で魅力を語ることの重要性が説かれていますが、バレーヌの塩はまさしく「ストーリーのある製品」の好例だと思います。さらに、これはどこまで意図的か分かりませんが、「オイスターバーというオシャレなレストランに置かれている」というのも、バレーヌに新しいストーリーをプラスしていますね。

最近は沖縄の塩やクレージーソルトなど、ストーリーを持つ塩が増えてきました。このエントリを書くために情報をググっている最中に見つけたのですが、「世界のお塩.com」というサイトまで登場していて、様々な塩の物語を楽しむことができます。ちなみにこのサイト、味や形状を基準に検索できたり、産出地から選べたりとかなりの完成度。BBSも付いているのですが、ここはやはりSNS的な機能やユーザーレビュー、レコメンデーション機能を装備して、ぜひ「塩2.0(以下略)

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