グーグルのクラウドを支えるテクノロジー > 第91回 Googleドライブ「クイックアクセス」機能のMLモデル開発(パート1)
私が編集支援しているCTC教育サービスのコラム「グーグルのクラウドを支えるテクノロジー > 第91回 Googleドライブ「クイックアクセス」機能のMLモデル開発(パート1)」が公開されました。興味がある方はご覧ください。
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はじめに
今回からは、2017年に公開された論文「Quick Access: Building a Smart Experience for Google Drive」を元にして、Googleドライブの「クイックアクセス」機能の開発、特に、表示するファイルを選択する機械学習システムについて解説していきます。
Googleドライブのクイックアクセス機能
WebブラウザでGoogleドライブにアクセスすると、画面の最上段に「頻繁に開いたドキュメント」「今日編集したファイル」などのメッセージと共に、ユーザーがこの後すぐに利用すると予想されたファイルが表示されます。あるいは、スマートフォンで開いた場合は、ホーム画面に同様のファイルが並びます。これは、「クイックアクセス」と呼ばれる機能で、機械学習モデルによって表示するファイルが選択されています。冒頭の論文では、この機械学習モデルの仕組みとあわせて、本機能の開発における課題や導入の効果を示すデータが紹介されています。今回はまず、クイックアクセスで用いられる機械学習システムについて、その概要を説明します。
機械学習システムの概要
オンラインでの業務の作業効率について調査した論文よると、一般に、電子メールへの対応に業務時間の28%が費やされており、それに次いで、業務時間の19%は、業務に必要なファイルやドキュメントといった情報の検索に使われているそうです。Googleドライブのクイックアクセスは、このようなファイルを探す時間を短縮することを目的とした機能です。機械学習の観点では、個々のユーザーが次に必要とする、つまり、クリックして開く可能性が高いファイルを選び出すモデルが必要ということになります。一見すると、動画配信サイトのレコメンデーション機能にも似ていますが、学習対象のデータに大きな違いがあります。
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