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Lotusphere Comes to You 2011

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Lotus
3月2日(水)に国際フォーラムでLotusphere Comes to You 2011が開催され,参加してきました.
毎年1月に米国オーランドで開催されるLotusプライベートカンファレンス「Lotusphere」の内容を各国で紹介するといったもので,毎年日本ではこの時期に開催されています.
今年のLotusのテーマは,”Get Social. Do Business”.
どのセッションでも,Social,Social,Socialの連続でした.

10時から開始の基調講演,特別講演についてご紹介しましょう!

1.基調講演
基調講演に先駆け,Lotus三浦氏,IBM川原氏から挨拶があり,「昨年Lotusビジネスは,前年比2桁成長」とのコメントがありました.”えっ?”と思うくらい私たちには実感できていない成長ぶりです(笑)

まあ,そんな話しはおいといて,基調講演では,米国IBMよりNigel Beck氏が来日し,「一人ひとりの行動の変化から始まる、組織と会社の革新」と題してソーシャルビジネスについて講演.
IBM Lotusとしては,以下の3つのキーワードを柱に,ソーシャルビジネスを考えているようです.

・ENGAGED : つながる・つなげる
・TRANSPARENT : 組織横断・見える化
・NIMBLE : 機敏な・即応的

人と人をつなぎ(ENGAGED),組織横断的にプロセスや情報を見える化(TRANSPARENT)することで,機敏な対応(NIMBLE)がとれるようになる.それこそ,ソーシャルビジネスであり,今後の目指す姿だと考えているようです.

なお,Lotus製品に関する新たな話しはあまり具体的なものはありませんでしたが,ソーシャルビジネスを支えるツールとして,現在少しずつ進んでいるProject VulcanやProject Northstarといったものが,来年以降に製品として形になって現れてくるのでしょう・・・

2.特別講演
基調講演に続き,星野リゾートの星野社長による「仕事が楽しい環境を作る」といった組織論の講演が始まりました.
非常に著名な方で,TVやマスコミでも取り上げられているような方みたいですが,Lotusビジネスと何の関係があるのだろうか???
どうやら,今年のLotusのテーマがソーシャルということで,これまでの階層型の組織ではなく,人と人がつながるフラットな組織によりソーシャルは成り立つということで,ユニークな組織論を実践されている星野氏にオファーされたとのことです.
国内の旅行産業は比較的安定しているものの,リゾート業界では,運営は運営の専門家に任せるというスタンスが増えてきているようです.
星野リゾートさんでも当初は90名程度の企業だったものが,いまでは4000名を超える企業となり,組織運営という点では以下の5つのキーワードをもとにしているとのことです.

・ビジョン・価値観の共有
・コンセプトへの共感
・フラットな組織文化
・醍醐味満喫
・自分でコントロールするキャリア

ビジョンといった将来像をみなさんで共有し,価値観といったルールを守りながら,常に「誰に対して何を提供するか?」といったコンセプトを考えることで,各自が何をすべきかということが自ずとわかるということです.また,意思決定までのプロセスは,役職関係なく議論し,決まったことについてはみんなで取り組む.
ごくごく当たり前のことですが,なかなかそれができないですよね・・・

また,話の中で顧客満足度の話しが出てきましたが,顧客満足度を追求すると結果的に投資などコストがかかることになり経営の立場からは,顧客のクレームが出ない程度のギリギリのラインの顧客満足度にとどめるようにしてしまうというのが印象的でした.(国内旅行しても,とっても満足したということは稀で,ぼやっとした満足感が多いと言ってました.)
自分の会社はどうだろうかと改めて考え直すいい機会になりました.


2011年中のNotes/Dominoの進化はメンテナンスリリース程度で,来年のProject Vulcanをじっくり待つという感じなんでしょうね.個人的には,世間で人気のクラウドについて,Lotusもガンガンプッシュしてくるのかなあと思っていましたが,Lotus Liveに関する露出は思ったほど無かったというのが,今回のカンファレンスの印象的でした.
今年のLotusとしては,クラウドを前面に出すのでなく,ソーシャルといった別の切り口で攻めるということなのかもしれませんね.

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