ブログのWeb2.0的価値
私は、ちょうど10年前(1997年5月以降)、勤務していた九州の建設会社のHP(ホームページ)を管理していた関係で、仕事に関する思いなどを日記として書き綴っていました。今で言えば、ブログということになりますが、コメントを付けることも出来、Web2.0的でもありました(トラックバックはありませんでした)。BBSもありましたが、HPを訪れる読者は、日記に対するコメントやBBSに対する書き込みを楽しみに訪れてくれました。日記の内容はあくまできっかけで、ハンドルネームでのやり取りがとても心地良かったことを覚えています。
ブログ自体は、あくまでも個人の記録であって、集合知でも何でもありません。コメントが集まって初めて、集合知的な意味合いを持ちます。ブログがWeb2.0的価値を持つとすれば、BBSやメールリストでスレッドを立てることと同じような意味でのネタ提供であり、コメントが荒れないようにブログ所有者として配慮することが重要だと思います。そういう作業の積み重ねがあってこそ、良質なコメントが揃い、ブログ全体が(2ちゃんねる的な意味合いで言えば)良い板になっていくのだと思います。
そういう意味で、YahooJapanがニュースサイトにコメント欄を設けたのは、重要なポイントだと思います。
新聞3社共同ポータルに対抗 ヤフーがニュース・コメント欄
Yahooの方の「うちでは記事を作ることができないので、このままだと、ほかのサイトとの違いがなくなってしまいます。そこで、コメント欄という付加価値を付けて、ユーザーの方に楽しんでもらうのが重要と考えました。2ちゃんねるは、特別に意識していません」という発言は、ニュースサイトで何が価値を持つかについて、重要な視点です。
ニュースサイトで重要なのは、ニュース自身なのか、ニュースに対するコメント(の集積)なのか。
迷走する新聞社の生き残り戦略のポイントもここに集約されると思います。従来の紙メディアで繰り広げられていたスクープ合戦で疲弊するよりは、ネットでは優良な読者の力をいかに呼び込むかが重要になると思います。そういう意味で、自らの視点をきちんと提供し、いいスレッドの立て方をすることが、Webメディアには求められている、と思います。