BtoBの営業DXとは何か?一問一答でわかりやすく解説
営業DXとは何か?なぜ必要なのか、今までの営業と何が変わるのか、そもそも何のために何をするのか、どんなプロセスで進めれば良いのかなどを解説します。
なお、このコラムは、弊社が以前公開した営業DXコラムを要約していますので、詳しい内容を確認したいときは下記のコラムをご覧ください。
営業DXとは?デジタルセールスとの違いと推進プロセス、成功事例を解説
営業DXとは何ですか?
営業DX(英語:sales dx , sales digital transformation)とは、「営業のデジタルトランスフォーメーション」の略称で、デジタルテクノロジーを活用して営業部門の業績や営業プロセス、営業戦略、営業体制を根本から変革することをいいます。「セールスDX」のように言われることもあります。
デジタルテクノロジーの発展をきっかけに、昔ながらの営業から脱却し、営業のあり方を再検討しよう、変革していこうといった意味合いが強いです。
デジタルセールス・デジタル営業との違いは何ですか?
営業DXとデジタルセールスやデジタル営業は、同じような意味合いで使われることが多いようです。しかし、厳密には、営業DXの中にデジタルセールスやデジタル営業が含まれると考えられます。
デジタルコンテンツ(WEBやメール、動画など)やデジタルツール(MAやSFA、CRM、オンライン商談ツールなど)を使って営業する場合は、デジタルセールスやデジタル営業といえます。しかし、デジタル化をきっかけに営業体制や戦略そのものを見直すとなると営業DXといえるでしょう。
営業DXはなぜ必要なの?
さまざまな理由がありますが、売り手側と買い手側とで大きな理由が1つずつあるのでご紹介しましょう。
買い手側(顧客側)
買い手側の「購買プロセスの変化」により営業DXが必要になっています。BtoBにおいて、製品やサービスを購入する顧客側の購買プロセス(製品やサービスの選定検討プロセス)が変化しています。以前は、担当営業に説明してもらうなどのリアルでの情報収集がメインでしたが、現在はデジタル上(インターネット)での情報収集がメインとなっています。デジタルでどの製品を購入するかの情報収集をする方が効率よく製品選定できるからです。
売り手側(営業側)
営業側の理由としては、営業の生産性向上(省人化)があげられます。日本社会においては人手不足が深刻ですが、営業部門も同様です。そのため、今までとは違う売り方で効率よく売ることが求められています。さらにコロナの影響で、非対面営業の重要性も向上し、営業DXの必要性が高くなっています。
今までの営業と何がかわるのですか?
一番大きな変化は、営業手法にデジタルコンテンツが活用されるようになります。さらに、非対面営業を実現するためのデジタルツール(MAやオンライン商談ツール、名刺管理ツール、CRMなど)も導入され活用されます。
そして営業の属人化を防ぐために、SFAによる商談の一元管理も推進されます。今まで個人に任されていた営業が、組織的な営業として変化していきます。
営業DXの目的は何ですか?
営業DXの目的は、営業の生産性向上、売上向上だけでなく、デジタル化することによる営業のBCP対策が目的となります。
営業DXではなにをするのですか?
営業DXでやることは主に2つです。
1つ目は、営業のデジタル化です。デジタル化するには、「新規リード獲得からリード育成、そして案件や商談の継続的な創出、受注獲得、顧客維持とLTV最大化」を、デジタルを活用してどのように実現するか?どこからどこまでをデジタル化するのか?を、自社の事業特性(商材特性や顧客特性)に合わせて考える必要があります。デジタル化に必要なデジタルツール(MAやSFA、オンライン商談ツールなど)の導入も進めなければなりません。
2つ目は、売り方の変革です。デジタル上では、買い手(顧客)側は、「自社の課題を解決できる製品は何か?」という視点で自社にあった製品・サービスの情報収集をしています。そのため、「モノ売り」ではなく、「コト売り」に変えていく必要があります。製品カタログをデジタルコンテンツにするだけでなく、「どのように課題解決できるか?」のソリューション化が重要になります。
弊社では、この2つのことを進めながら、営業体制、営業戦略を再構築するのが営業DXでやるべきことを考えています。
営業DXのメリットは何ですか?
営業DXには主に2つのメリットがあると考えています。
1つ目は、営業コンテンツの資産化です。営業DXではデジタルコンテンツを使って営業しますので、デジタルコンテンツを作ることで、そのコンテンツが営業資産となります。一度作ったコンテンツをさまざまなセールスシーンで再利用することができ、営業効率が向上します。
2つ目は、効果の可視化とPDCAです。営業のデジタル化により、効果を数値で可視化できるようになります。その結果、営業戦略のKPI改善のPDCAをより効果的に効率よく回せるようになります。これは営業リソースの効率的活用や費用対効果の最大化にもつながります。
営業DXではどんなデジタルツールを使うのですか?
営業DXでは主に下記のようなツールの活用を検討します。
- CMS(コンテンツマネジメントシステム)
- MA(マーケティングオートメーション)
- オンライン商談ツール
- オンラインセミナーツール
- SFA(商談管理)
- 名刺管理ツール
- CRM(顧客関係管理)
営業DXはどのような推進プロセスで進めれば良いですか?
営業DXを推進するには、営業プロセスの何から営業DX化するかを決めることと、どのような推進体制で進めるか?の体制作りが重要です。
営業プロセスの何から営業DX化するか
BtoBの営業プロセスは一般的に下記図のようになっています。この時、どのプロセスからDXを進めるのか?を自社のリソースや製品特性を見極めて決定する必要があります。記事執筆時点においては、BtoBのどのような製品・サービスでも営業DXが推進できるとは限らず、相性がありますので、見極める必要があります。下記図は、営業シナリオの前半部分をデジタル化し、後半は今まで通り人間が対応するという考え方でDXを進める時のイメージになります。
どのような推進体制にするか
営業DXでは、主に営業担当者以外に、デジタルマーケターやインサイドセールスといった体制が重要になります。デジタルマーケターはデジタルコンテンツを設計・製作し、リード獲得、リード育成、案件・商談創出に必要なマーケティング活動を支援します。
インサイドセールスは、電話や個別メールなどを活用して非対面でリードや顧客と対話し、購入の確度の見極めなどを行います。
こういった体制がないと、営業DXの推進は難しいと考えられます。
営業DXの具体例・取組例は?
営業DXは、BtoB企業において様々な取り組みが進められています。弊社のお客様での取組事例としては主に下記のような事例があります。
- 新規リード獲得のデジタル化
- メルマガによる見込み育成のデジタル化
- 見込み客の課題調査のデジタル化
- 「コト売り」を実現するソリューション提案サイトの構築と新規見込み獲得
- オンラインセミナーによる商談創出のデジタル化
- 「モノ売り」セミナー(自社商材紹介セミナー)から「コト売り」セミナー(課題解決の方法セミナー)化
- 既存顧客に対するLTV増加施策のデジタル化
- LTVの低い顧客への顧客満足度アンケート調査のデジタル化
上記取組例の詳細は下記のコラムでご紹介しています。