Windows Vistaはちょい待ちで
企業のIT担当にとって頭の痛い、数年に1度のイベントがやってきました。Windowsの世代交代です。
法人向けの機種ではまだXPを選べるようですが、いずれVistaしか売っていない時が来ます。「ようやくXPで社内を揃えたのに迷惑なことを」とお怒りの方もいると思います。
すでに各サイトで報じられているように、VistaとXPでは168文字の字形が違うという問題があります。正確に言うとこれはVistaの問題というよりも、Vistaが準拠した「JIS X0213:2004(JIS2004)」が原因です。経済産業省が以前と違う字形を同じコードに割り当て直した結果です。マイクロソフトではVistaのフォントをXPと同じ字形に差し替えるモジュールを提供していますが、これはこれで注意が必要なようです。
文字コードと字形は奥が深いテーマです。詳細は「JIS2004 Vista」で検索してください。
CRMコンサルタントとしては、これが原因で「(顧客名簿から送った)ダイレクトメールの名前の文字が違う」というクレームがお客様から来ないことを祈ります。これは自社内をXPで統一すれば解決できるものではありません。ダイレクトメールの宛名印刷をアウトソースしている場合はその会社も含めての話になるので、どうしようもないかもしれません。
ノートパソコンではXPよりもバッテリーの使用時間が短くなるという指摘もあります。ノートパソコンのBIOSとVistaの省電力機能のチューニングが必要なようです。電源のない所でノートパソコンを使う人にとっては見逃せない問題かもしれません。
このような状況で今から購入するPCはVistaにするべきでしょうか。
仕事で使う上で画期的な新機能はVistaにはないように思います。自主開発のアプリケーションがある大企業は別にして、中小企業の一般的な使い方ではメール、ブラウザ、MS Officeが動けば充分で、Windows自体は意識していないのではないでしょうか。
私のお薦めは、
- 全てのパソコンを今から新規購入するのであれば、最初からVista。
- Windows 2000やXPのパソコンを導入済であれば、今後の追加購入もXP。
です。
これまでもWindowsが世代交代した直後は、真ん中より上のスペックのパソコンでないと実用的な速度が感じられないことが多いようです。例えばWindows 2000の実用的なメモリは256MByteでしたが、XPでは512MByteないと実用になりませんでした。Vistaでは1GByteは必要なようです。それなら当分の間は安いパソコンでXPを使った方が、満足度が高いという考え方です。
XPパソコンが販売終了になる頃にはパソコンの価格性能比がさらによくなって、低価格パソコンでもVistaを気持ちよく使えるようになっているはずです。
Windows Vistaはちょい待ちがお薦めです。