オルタナティブ・ブログ > 夏目房之介の「で?」 >

夏目房之介の「で?」

英断

»

首相の浜岡原発停止要請。まずは英断ではないかと。

東電だけではなく、ほかの電力会社の危機管理や経営システム、権力構造を今後きちんと調べてほしいし、そのための一歩にはなりうるかもしれない(その意図があるなしにかかわらず)。この国の今後のビジョンに、やがてかかわる決断に、結果的になる可能性はある。

それにしても、TVニュースの論説員が、哲学や基準提示のないまま、いきなり停止要請はいかがか、みたいなことをいっていたのは腹が立った。相変わらず批判めいたことさえいってればジャーナリズムだと思っている典型的な論説員で、前から不愉快だったが、ほんとに無責任。首相のやり方に問題はあるかもしれないし、人の意見を聞かない、という側面もあるかもしれないが、首相の問題じゃなくて、想定外の危機が事実ありうることが判明した状況での、緊急事態での判断が、いちいち哲学だの基準だのといっておられるわけがない。菅がやろうと、谷垣がやろうと、誰がやろうと、これは必要な国家的決断であったと僕は思うがな。ちなみに僕は別に反原発ではなかったし、今でもそうではないが、日本の原発の(技術的なことだけではなく制度的な)危機管理の危険性が判明した以上、政治的決断は必要だと思うだけ。

Comment(2)