昭和漫画館青虫に行ってきました
3~5日にかけて、東京から車二台でゼミ有志の合宿旅行。福島県は只見の「昭和漫画館 青虫」(青林堂の「青」と手塚治虫の「虫」なんだとか)に行ってきました。さすがに片道6時間の車移動はしんどかったですが、青虫は素晴らしかった。まず環境がいい。山に囲まれ、きれいな小川が流れ、空気が澄んで風がさわやか。日中の温度は東京と変わらないが、木陰に入れば涼しい。「青虫」さんのサイトにも、自然を写した写真があります。
http://www16.plala.or.jp/aomusi-0064/
只見線は、日に三本しかないとかいうんですが、これがまた一度乗ってみたいような山と崖と川を渡る単線で、これを目当ての鉄ちゃんたちがよく訪れるとか。
「青虫」には、50~60年代の貸本、40~50年代の赤本、雑誌など、僕などにはいくら観てても飽きないような宝物が並んでるわけですが、最初、うちの学生たちは飽きちゃうんじゃないかと一抹の心配がありました。が、それは杞憂で、みんな夢中になって読みふけってました。こりゃマンガのゼミ旅行にはうってつけだったかもしれません。
手前は合流してくれた東北大の三浦知志さん。後ろのタンクトップの方が館長の高野さん。
館内には移動式の階段があって、上のほうの本も取り出せます。昔懐かしいグッズなども豊富にあって、トイレにも懐かしいドーナツ盤が並んでたり。
こういう貴重な貸本は、ガラス棚に入ってますが、お願いすれば開けて見せてもらえます。
上の「青春」「フレッシュ」あたりは、60年代貸本の若者向けで、青年マンガの走り。青春学園物もありましたねー。
少女誌、青年誌、若者雑誌の創刊号もあり、66年創刊の「週刊漫画 コミックmagazine」創刊号を発見。多分、当時高校生になる頃の僕は読んでなかったと思う。つか、買えないよね、これ。
驚いたのは、冒頭の「SEXスパイ」(梶山季之作、石原一隆脚色となってる)というマンガ。
物凄くスタイリッシュで、うまい。次の「0011ナポレオン・ソロ」は「MAD」のパロディそのものだし、あきらかにアメコミやBDを輸入しようといてる感じ。この流れが、バロン吉元のアメコミ風ハードボイルドになって、「週刊漫画アクション」創刊号なんかも、そういう流れでモンキー・パンチとバロンのバタ臭いものになったんでしょうね。他にも、いろいろと発見がありましたが、いちばん衝撃だった大城のぼるについては、別項で。
最後の日、車に乗り込む我々は、高野さんから「館をやっていける気持ちになりました」と逆にお礼をいわれてしまった。が、こちらこそお礼を申し上げたい貴重な経験でありました。でも、高野さんのお仕事を少しでも励ますことができたのであれば、嬉しいかぎりです。
おまけに、記念にお送りした僕の色紙二枚。