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夏目房之介の「で?」

隼人瓜

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日曜日、昼前に起きて自宅から近所の小さな公園に練習に行く。
途中には、冬になると何匹もの猫さんを日光浴させているお宅があって、たまに猫さんに触らせてもらったりする。

その手前、いつも青々としたツル植物の茂る塀のお宅があり、大きな葉は昔見たヘチマやひょうたんかなと思っていた。この時期まで青い茂りがあるのは、歩いていて何となく目に嬉しいものだ。よく見ると、カリンのやや長めのような果実がたくさんなっている。何だろう、とずっと思っていた。
今日、練習に行こうと前を通ると、年配の女性がツルを刈り取っていた。目があったので「大変ですね」と挨拶をすると、その実が「隼人瓜」というものだと教えてくれた。九州の南などに育つもので、胡瓜にような淡白な野菜で、漬物や炒め物にしてもおいしいのだと、二つほどくださった。
僕はめったに料理なんかしないが、これはちょっと食べてみたい。もやしとピーマンとキムチを買い、冷蔵庫にあったギンナン、卵と一緒に炒め、黒酢を少し加えて酸味をつけた。あと、乾燥シジミと乾燥海苔を少し加えて、ガッと炒めただけだが、これがけっこう旨い。
隼人瓜は、しゃきしゃきした水気の多い野菜で歯ごたえがいい。味は淡白で、ないに等しいが、歯ごたえがこの野菜炒め全体の中心になっていて、食が進む。野菜から水が出るので、最後に卵を加えて吸わせると、ぐしゃぐしゃにならない。卵は、もう一つあってもよかったかな。

隼人瓜をくださった家の方、ありがとうございました。
おいしくいただきました。

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