東北大「ナラティブ・メディア研究会」
今回、マンガ学会で発表した森田直子さん、三浦和志さんや、論文「手塚治虫の少女マンガ作品における表現の機構」で博士号を取った岩下朋世さん(男性です)ら、東北大学のメンバーによる「ナラティブ・メディア研究会活動報告書 2008年度」(2009年3月30日発行)という冊子がある。前号も宮本大人氏、伊藤剛氏も参加したセッションの紹介号で充実していたが( http://www.media.is.tohoku.ac.jp/~morita/naoko/workshopnm1.html )、今回も非常に力のこもった論文集で、もっと多くの研究者に読まれないともったいないほどだ。( http://www.kyoto-seika.ac.jp/hyogen/manga-gakkai/book/090330narrative.html )
映画についての論文は時間がなくてまだ読んでいないが、中村唯史氏の「誰のものでもない視点は可能か マンガにおける描き分けの基準をめぐって」、三浦和志氏の「「レアビット狂の夢」の固定キャラクター不在について」、岩下朋世さんの「マンガを「学術的」に研究することについて 博士論文「手塚治虫の少女マンガ作品におる表現の機構」補論」など、重要な論考が多く、森田直子さんのルドルフ・テプフェール『観相学試論』(1845)の翻訳と解題」も大変貴重な仕事だ。東北大は、これから北の拠点になるかもしれないな。研究者は要チェックである。
マンガ学会HP記事より 「ナラティヴ・メディア研究会活動報告書2008年度」発行のご案内 (編集代表:森田直子、2009年3月30日発行、非売品) 文学・コミック・映画・アニメ等、現代における物語媒体を横断的に研究する「ナラティヴ・メディア研究会」(拠点:仙台)の2008年度の活動報告書を発行しました。ご希望の方にお送りします(郵送料のみご負担いただきます)ので、下記まで送り先とご希望冊数をお知らせの上、お申し込み下さい。なお、昨年2008年2月に行った研究会第1回ワークショップ「コミック研究のフレーム再考のために?研究方法の多様化と今後の展望?」の報告書(2008年3月発行)も残部がありますので、ご希望の方は合わせてご連絡下さい。 森田直子 [活動報告書2008年度の内容] 誰のものでもない視点は可能か マンガにおける描き分けの基準をめぐって(中村唯史) 引き裂かれたスクリーン 映像のリアリティーとアクチュアリティーの問題をめぐる若干の考察(阿部宏慈) 1910年代後半から20年代にかけての日本における二つの映画芸術観をめぐる言説の検討(成田雄太) 「レアビット狂の夢」の固定キャラクター不在について(三浦和志) マンガを「学術的」に研究することについて フランスにおける〈マンガ文化〉の生産 ロドルフ・テプフェール『観相学試論』(1845)の翻訳と解題(森田直子) [第1回ワークショップ報告書の内容] 本ワークショップのあらましと総括(森田直子) 「少女マンガ」に関する批評言説の批判的検討(岩下朋世) 「内面」の表象としての身体ム黒田硫黄『大日本天狗党絵詞』を読む(木村雅史) マッケイ作品におけるマンガ内在的批評の検討(三浦知志) マンガと政治をめぐってム両者の関係を考察するための方法(ジュリアン・ブヴァール) マンガ実作指導(技術指導)と、マンガ表現論(理論)はどう接続されるのか?(伊藤剛) マンガの言葉/マンガと言葉(宮本大人) 表現によって現れ出るもの (森本浩一) |