NHK「プロフェッショナル」柳家小三治
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何となくザッピングしてたら、ちょうどNHK「プロフェッショナル」で柳家小三治をやっていた。
ひどいリウマチだそうで、山のような薬を飲んでいた。免疫を抑制して痛みを減らすらしい。
落語家としては生真面目すぎるといわれ、師匠小さんから「お前の噺は面白くねぇな」といわれ、ずいぶん迷ったらしい。以前、お会いしたとき「ウチの落語は、客に受けようとしちゃいけないっていうんですよ。笑わそうとしちゃいけない」と話されていて、いかにも小三治さんらしいと思ったことがある。が、「客のためにやってんじゃない、俺は俺だ」という自分と、お客様が一番だからという自分が矛盾しているらしい。68歳になって、今でもそういうことで悩み続けているんだな、と思う。即座に自分もきっとそうなのかもしれない・・・・と思った。
「自分で、それでよしとしている自分が嫌いだ」と、68歳の落語家がいう。
たしかに生真面目だが、この人の落語はたしかに、いい。
受けようという気持ちを抑え「小さく小さく」といいながら、抑制して語ると、ぽっと口から出た小さなことがスッと客に入ってゆく、と語っていた。そういうものかもしれない。
「笑わせるんじゃない、笑っちゃうのが芸じゃないかな」
最後に(実際は、編集で最後に持ってきたのだろうが)「プロフェッショナルとは?」と聞かれた小三治さんは、こう答えていた。
「今までのプロフェッショナルを観ていてね。はたからみるとね、凄いなー、プロフェッショナルだなーと思う人もね、本人はそんなこと考えてないと思います。ただ、今やってることを必死にやってるだけなんですよ」
そうなんだろうな。面白かったです。
日経の「TVウォッチ」で前に一度「プロフェッショナル」書いたので、こっちに書いてみました。
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