【調査の皮膚感】SNSでコミュニケーション力を活性化できる?
■読む為に必要な時間:5分 作成者:中山陽平
久々の投稿になります。まともにオリジナル記事を投稿してから1年くらい経っていますね…。
他にも自分のメディアがあり、また、寄稿先も増えてきたので放置気味になってしまいました。
ITmediaでは何をやろうかなと思っていたのですが、最近「統計」が面白いなと思うこともあり、そして自分のメディアでも寄稿先でもこういうことはできないので、統計調査に対して雑感を書いていく場にさせていただこうかなと思っております。
いわゆるWEBマーケティングなどの記事・ノウハウは
から、ご覧頂ければ幸いです。
というわけで調査結果ですが、せっかくITmediaなのでITmediaの「調査のチカラ」から毎回ピックアップしていこうかと。
肩の力を抜いて書きますので、肩の力を抜いてお読み頂ければ幸いです。
今回の調査結果
近畿大学の調査です。(この「フィードバック数」ってなんの数字なんだろう…)
スマートフォンとSNSの利用状況に関するアンケート | 調査のチカラ
http://chosa.itmedia.co.jp/categories/marketing/26815
サマリー
- 対照は近畿大学の平成25年度の新入生6,383人
- 新入生の88.2%がスマートフォンを使用している。大学デビューは29.4%
- 最も使っているSNSは「LINE」近年のコミュニケーションはメールからSNSに移っているのでは
- WEBやSNSの活用を近畿大学も推進。新入生対象Facebookグループも作成も
- SNSにを使っていない層はコミュニケーションがうまく行えていない可能性を懸念
調査に対する雑感
初っ端から何なのですが、イマイチ何を伝えたいのか分からない調査結果だなという印象です。
こういう時にまず思うのは「最も使っているSNS」だけを集計する意味です。SNSは普通いくつか使っていますよね。TwitterやっているしFacebookやってるし、ちょっとまだMixiもたまにはログインしているし…と。
そして最も使っているのはなんですか?と言われれば、それはやはり「LINE」です。これもそうなると思います。だってメールみたいなものですもんね。
最も使っているクラウドサービスはなんですか?「Gmailです」「Googleです」みたいなもので、意味がありません。複数選択可能にするべきではないかなと思います。
また、対象に入っているSNSが多様すぎないでしょうか。
- モバゲーやGreeは「ソーシャルゲーム」であって、コミュニケーションツールではないのではと。
- LINEは、メールの代わりであってSNSと言えるかというと、違う気がするんですね。
メッセンジャー件通話ツール。LINEがSNSなら、iPhoneのメールもグループ単位でメールできるのでSNSって言えるのではないでしょうか(タイムライン的なものはないですけれども)
そうすると、大学側が重視している「コミュニケーション」を体現しているものは、この中では王道の「Facebook」「Twitter」「mixi」なのではと思います。
多分この調査結果は、「近畿大学が新入生対象にFacebookでコミュニケーションを活性化させる新しい試みをやっているよ」というプレスリリースなのだろうと思います。
それを伝えることありきで、調査結果から結論を導いているので、論理的に筋が通らない事態になっています。
Facebookを使って学生の交流を活性化させようという試みのようですが、あまりコミュニケーションがうまくない私の感覚からすると、Facebookでコミュニケーションをいろいろな人と取ろう、と前向きに考えられる人は、そもそもコミュニケーション力がある人です。
本当に、人間関係に困っている人は、SNSに踏み出せないですし、ましてや「学校が使えって言うから使ってみよう」なんて思えないと思うんですね。恥ずかしいと思うんです、そんな動機で始めたと知られたら。
結局SNSが運んできた現実は
- コミュニケーション力がある人は、よりコミュニケーションできる
- コミュニケーション力がない人は、よりコミュニケーションできない
という二極化です。
ディベートなどを取り入れては
本当に大学がコミュニケーション力をつけさせるなら、無理やりやるしかないと思います。
チームプレイをしないといけない授業を増やす。ただの座学ではなく、グループワークを増やす。
後はディベートをしっかりやるのもいいのではないでしょうか。
日本は「反論=人格攻撃」になりがちです。
ディベートは、一瞬にして「次は逆の意見に賛成する立場になって喋って!」という世界です。
人格と意見を分離させるのに、向いているのではと思います。