WSJ誌が「Googleが検索エンジンに過去最大の変更」と報道、その真意をGoogleの検索最高責任者がGoogle+で答えた
作成者:中山陽平
昨日の、WallStreetJournal誌の記事は検索エンジンに関わる人にとっては、非常に気になる内容だったかと思います。
Googleが検索エンジンに「過去最大の」変更をするというものです。
▼グーグル、検索システムを改良へ 市場シェアの維持目指し過去最大の変更か - WSJ日本版 - jp.WSJ.com
このようにWSJのようなTech系ではない所で記事になるのは珍しいこともあり、またそもそも、Googleが大きく変更を行うとすれば相当のインパクト。
そのため、いったいどんなことなんだろう、すぐに動かなければまずいのではないかということで、追加情報に注目が集まっていました。
WSJの記事が、あまり具体的なところを書いていなかったこともそれに拍車をかけています。
そんな中、WSJ内で出てくるGoogleの検索関連の最高責任者「アミット・シンガル氏」が、Google+にてこのニュースに関する投稿をしました。
そしてこの内容が、恐らく今求められている内容なのかなと思いましたので、翻訳して(意訳ですが)ご紹介したいと思います。
記事の最後に発言翻訳全文を掲載しています。
結論と感想まとめ
結論から言えば、「通常検索の部分に何か大きな見た目の変更が加わるというわけではなさそう(裏のアルゴリズムは変わる)」で、2010年に買収した会社の技術を別途組み込んでいくよ、という内容のようです。通常検索のアルゴリズムには影響しますが、いわゆる大きめのアルゴリズムアップデートと考えるのが適当かなと思います。
※【追記】アミット・シンガル氏がMashableのインタビューに答えた記事を読んで、もう1つ記事を作りました。マーケティングに関わる方はぜひご覧下さい。今後の”コンテンツ資産”の話です。
→ Googleが目指すはSiriの様な"AI"?今後のSEOはどうあるべきか|海外最新WEB戦略戦術情報
- 2010年にFreeBase社を買収して得たナレッジグラフの技術で、検索エンジンの使いやすさをもっと高めようとしている
- その一環として、記事にあったような、セマンティックなことをやっていく
- すぐに何かというわけではなく、徐々にアップデートしていく
- Googleは生のデータ(地政学的なデータ、人口データ…などのいわゆるデータ)を、加工して、ユーザに提供できる形にして溜めてきた。
- それを、FreeBase社の技術を使って、うまくみなさんに提供していきたい
- そしてこれはGoogleが描いている未来のただの一歩に過ぎない
ということだと思います。
ここからは私の推測ですが、そうすると
- 最終的にどこに挿入されるかわからないが、生のデータを出すことが適切であるとGoogleが判断したキーワード(例えば、"Most Largest City in Japan"など)は、その生のデータからの情報を、検索結果のどこかに別途出す、ということではないか
- それは例えば、今株価や通貨換算や天気やらが、上に出てくることがあるのと、同じような出し方ではないか
- したがって、通常検索部分には、平たく言えばSEOには影響はほとんどないのではないか
- ただ、アルゴリズムに影響をあたえるので、そういう意味では要注目である。
- コンテンツの関係性や関連度などがより重要になってくるので、コンテンツ戦略が必須になるだろう。
と思います。
想像ですが、例えば「ユーロ 日本円」ではこのように出ます。この延長ではないかと。
また、「検索エンジンって、別にWEBページを検索結果に返す必然なんて無いよね」ということなのかなと思います。
これからどうなっていくのか興味深いですね。
ユーザの利便性が高まる、という視点をキープしてもらえるなら、マーケティングをやる側としてもそれほどブレることはないかなと思っています。
Googleの変化については、引き続き「WEB戦略ブログ」「海外WEBマーケティング情報Facebookページ」を中心に追いかけていきます。
アミット氏の発言翻訳全文
※私の意訳なので、おかしいところがあったら申し訳ありません。
"Googleの検索システムに関するニュースがみなさんの興味をひきつけているようだ。
これだけまず言わせて欲しいのは、みなさんが(Googleで検索している)質問に対して、最高の答えを返すために、我々は自分自身の能力をいつもよりよくしようとし続けているということだ。
そしてそれを行う中で、我々Google社は加工されていない生のデータを、きちんとした情報に変えていくことも行なっている、何百万という世界中のユーザにそれを伝えるために。
我々がその経験を伝えるには、みなさんが検索エンジンに入力した質問を完全に理解し、そしてその質問の言外にあることも理解していないといけない、しかしその能力はどうにもまだ不十分すぎる。
今「アメリカ合衆国の中で深い湖トップ10」と検索すると、沢山の検索結果が出てくるが、本当はそんなもの必要ない。私達が生のデータ―深さや、どの湖か―をすでに持っているのだから。
2010年に、GoogleはFreebase社を買収した、Freebase社はオープンソースのナレッジグラフ(たくさんのデータから集合知のようなものを創りだす技術)を開発している企業で、すでに当時1200万のエンティティを内部的につなげていて、そして属性は2億もあった。
このナレッジグラフというものは、より深い知識を作っていくツールとして我々は考えている…終わりのない創造性と深い洞察に基づいた。
先月のmashableでのインタビューでも説明したが、ナレッジグラフによって知識を上手く創りだしていく好循環に入ることは、まだ始まりに過ぎない、最初の一歩だ。
だから、これからの我々のアップデートを待っていてくれ、そして長い目で見て我々が何をしようとしていくかを。"元発言:https://plus.google.com/115744399689614835150/posts/3vLRVL7C4QS
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