「期待学」:デザインや発想を巡る新しい考え方
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先日、東京大学で開催されたデザインイノベーションフォーラム2010に参加してきた。
そこでのテーマが「期待学」である。
期待学(エクスペクトロジー)とは、「期待する」という意味の“Expect”と「思想」を指す“Logos”という2つの意味を合わせている。そして、デザインや発想を巡る新しい考え方の概念である。
多分、製品を企画して作る場合、期待に応えようと考えると最終的には「期待通り」に収まってしまうのではないだろうか。
それは、利用者の予想を超え、想像以上の感動やワクワク感を与える感覚(「期待以上」と呼べる感性)については意識されていないのではないかということだろう。
製品やデザインそしてサービスにさらなるワクワク感や魅力を与えるような「期待以上」の上質さがこれからの時代に必要になってくる。またそうでないと利用されないであろう。
「デザインイノベーションフォーラム2010」では、
・ノイズが上質さへ進化する(カメラのシャッター)
・未知の加速感(車)
・不在という期待(羽根のない扇風機)
等、事例を上げながら分かりやすく説明されていた。
そして、期待には
・顕在化した期待
・潜在化した期待
があり、まだ消費者が気づいていない期待もあるということである。
そのような潜在化した期待はアンケートをとっても上がってこない。
作り手から気づかせる必要がある。
まだ歴史が浅い学問であるが追い続けていきたいと感じた。
『スマートIT』術もこの「期待学」を考慮しながら進展していきたい。
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