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【書評】『しかけ人たちの企画術』:企画2.0に必要なもの

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インプレスジャパン / 単行本(ソフトカバー) / 283ページ / 2011-02-24
ISBN/EAN: 9784844329862

さまざまな分野の第一人者が、その人ならではの企画術を語るという一冊。
テレビプロデューサー、経営者、編集者、広告クリエイター、料理人などバラエティに富んだ人選で、「企画」というものを余すことなく教えてくれる。

第一線で活躍する人たちが語る「企画」というのは、実にけれん味がなく、理路整然としている。これらを読むだけで、プロフェッショナルは、「企画」を偶然やひらめきの産物ではなく、技術として身につけているということが良くわかる。そして企画以上に、自分自身のことを知り尽くしているなというのが、非常に印象的であった。

◆本書で紹介されている企画術のポイント
・吉田 正樹(テレビプロデューサー):周縁からの「怒り」
・後藤 繁雄(編集者):身体性、体つき
・中村 勇吾(インターフェースデザイナー):コードの規定、コラージュ
・奥田 政行(「アル・ケッチャーノ」オーナーシェフ):聞き飽きしない音楽
・箭内 道彦(クリエイティブディレクター):すべての引き出しは10代にある
・堂山 昌司(マイクロソフト代表執行役副社長):パートナーの存在、組み合わせ
・嶋 浩一郎(クリエイティブ・ディレクター):ボタン×シナリオ
・片山 正通(インテリアデザイナー):共犯
・小山 薫堂(放送作家、脚本家):ほんの少しだけ視点を変えられるもの
特に注目すべきポイントは、今までのようなパッケージ化された企画を届ける時代から、ソーシャルメディアに代表される”場”の時代において、企画がどのようにあるべきかという視点である。これについては、中村勇吾氏の「ルールや秩序をデザインする」という説明が明解である。ルールをデザインするためには、「何をするか」だけではなく、「何をしないか」ということについても考えなくてはならない。この「何をしないか」こそが企画のポイントであり、勝負の分かれ目なのである。

Twitterは140文字以上の情報の受発信はできない、Facebookは匿名でのユーザー登録はできない。これらの参加者に課せられた制約によって、場の秩序が決まる。そして、その秩序に基づいた総体をもって、参加者はそのプラットフォームが面白いかどうかを判断するのである。「制約は企画の源泉」、かつて情報を発信する側で言われていたことが、今やプラットフォームへ参加する全ての人に及んでいるということなのである。
 
 
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