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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

ITシステムのソーシングアドバイザとは

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ソーシングアドバイザ(sourcing advisor)という業種の話を、特に米国の、ソフトウェア開発のプリセールスをする方からぽつぽつと聞くようになってきた。基本的には請負開発で最適なソリューションを提供してくれる業者をさがす際に必要なRFP/RFQの作成代行やそれにまつわる作業を代行してくれたり、いろいろとアドバイスをくれる。技術顧問と呼ばれるような業種に近いだろう。開発対象ごとに、開発コスト、開発期間の相場感を定量的に持っているところを明示したり前面に出しているところが既存のものとは異なる。

例えば、米国のソーシングアドバイザとしてRampRateという会社があり、webページに定量化の方法が掲載されている。このページにもempirical(エンピリカル)という単語が出ているように、ソーシングアドバイザは、以下の点で、エンピリカルソフトウェア工学で言われていることの実践と言えるだろう。

  • あるコンテキスト(全体のシステムのサブシステムとして、或いは求められる環境下において)での機能実現に必要なコストや期間を定量的に記録する。
  • そのコンテキストの中での記録したコストや期間の妥当性を判断する(アナリストが実施したり、RFPへの回答で判断したり、実際に開発が終わった時点で判断する)。
  • 他のコンテキストでの妥当性を判断する(実際には判断材料を用意するだけで判断は他の引き合いが発生した時点に実施する)。

ソーシングアドバイザ自体は、特に新しいものではないが、システムやサブシステム毎にある程度定量化されたデータを持ち、それを判断材料とする点が新たな動きといえるだろう。今後、データの集め方の客観性、正確性、信頼性、網羅性、データを提供してくれるベンダを集められるか、結果としてどの程度の成功をおさめたかを記録していけることがソーシングアドバイザとしての優位性を決めることになるのではないかと思う。

プロジェクトのベンチマークは、IPAソフトウェアエンジニアリングセンタのソフトウェア開発データ白書やオーストラリアのISBSGが有名であるが、サブシステム/コンポーネント毎というのは現時点では存在しない。サブシステム/コンポーネントの定義/境界が難しい部分があるが、今後、プロジェクトデータの収集は上述のような方向にむかっていくのではないだろうか。

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