「OM-D E-M1」と「一眼レフ開発休止」を同時発表したオリンパスは、イノベータになれるか?
世の中は、今朝未明に発表された新型iPhoneの話題で持ちきりですが、私が気になっているのは、昨日発売されたこの製品。
待ちに待ったフラグシップ機・OM-D E-M1が発表されました!(下記写真はオリンパスのページより)
こちらで書きましたように昨年年末にオリンパスOM-Dが気になってしまった私は、今年年初にOM-D E-M5を購入、現在に至っております。
ということでOM-Dオーナーとしては、昨日から頭のかなりの部分が、このカメラのことで占められてしまっています。
このOM-4 Ti (1986年発売)と並べて撮影した写真なんかは、グッときます。OM-4のデザインは大好きでしたが、そっくりですね。「オリンパス、なかなかわかっているじゃん!!」という感じです。
さらに新たにM.ZUIKO PROという新しいプロ仕様レンズシリーズも発表され、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO (35mm換算で24-80mm/F2.8)の発売とか、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO (35mm換算で80-300mm/F2.8)の開発とかも発表されており、盛りだくさんです。
これまでOM-Dはパナソニックに比べてハイエンド・ズームレンズの充実が課題でしたが、力を入れていく様子がわかります。
デジカメWatchの仕様比較を見るとOM-D E-M5と比べて、さすがにフラグシップ機だけあって、一線を画した性能のようです。ただ若干重いようですね。(撮影時で、約497g vs. 約425g)
一方で、今朝(2013/9/11)の日本経済新聞を見ると、『一眼レフ開発休止 オリンパス「ミラーレス」に集中』というタイトルで、オリンパスは従来型の一眼レフ(E-1等)の開発は休止して、ミラーレスであるOM-Dシリーズに経営資源を本格的に投入すると報じています。
オリンパスOM-Dのマイクロフォーサーズは、センサー面積がフルサイズ35mmカメラの1/4になります。しかし、画質的には遜色は感じません。
実際、世界的にも高名な動物写真家・岩合光昭さんも、現在開催中の写真展「ネコライオン」をオリンパスで撮影しておられます。(このタイミングで岩合さんの写真展を企画するオリンパスのマーケティング戦略も、素晴らしいですね)
さらにこちらにも書きましたように、OM-Dシリーズの携帯性は、抜群に優れています。同一スペック機材のフルサイズ版と比較すると、重量1/3程度という感じでしょうか?
以前は、撮影の際には一眼レフボディを何台も持ち歩いていましたが、さすがに最近はあまり重いモノは持ち運ぶのが億劫になってしまいました。個人的には、OM-Dで必要十分です。
イノベータが破壊的イノベーションを起こす時は、ローエンドのニーズに応えるような、安くて手軽な製品を出します。
最初は「こんなのオモチャ」と言われたりします。
そして徐々に性能を向上させていき、ハイエンドニーズに応える製品で市場を押さえてしまいます。このタイミングでは、古(いにしえ)の覇者は「手軽さ」で太刀打ちできない状態に陥ります。
ではカメラ市場ではどうか?
ニコン・キヤノンに加えてソニーも加わったトップシェアベンダーの牙城は、なかなか難攻不落かもしれません。しかしオリンパスがカメラ市場を席巻するイノベータになると、これは面白いかもしれませんね。
「100円のコーラを1000円で売る方法 3」で描いた「イノベーションのジレンマ」が、まさに今、一眼レフカメラ市場で起こりつつあるのを、私たちは目の当たりにしているのかもしれませんね。