2080年代、大都市の最高気温が50度になると、何が起こるか?
こちらの記事によると、2080年代にはシカゴ、ワシントン、アトランタの夏の平均気温は40度以上に上昇するそうです。NASAの調査です。
「日中の平均気温が40度とした場合、都市部の最高気温は平常的に45~50度にまで達する恐れもでてくることとなる」とのこと。
最高気温が平常的に50度近いというのは、ちょっと想像しにくいと思いますが、私はこのような場所に2回行った事があります。
米国・カリフォルニア州のデス・バレーです。
ここは海抜下数十mで、両側の谷に挟まれて一種の対流現象が起き、いつも雲一つなく晴れていることもあって、低い場所になるほど気温が上がるような仕組みになっています。
ここは、「暑い」というよりむしろ「熱く苦しい」という感じで、野外に数分いるとかなり辛いところです。
各種ガイドには以下の言葉が繰り返し書かれています。
「水をたくさん持っていくこと」
「車が動かなくなったら、決して動かずに日陰で他の車が来るのを車の中で待っていること」
「車のオーバー・ヒートには常時気をつけること」
車で行くことになりますが、エアコンを使うとオーバーヒートするので、エアコンは切らざるを得ません。
実際、10年以上前にデス・バレーに行った際に、車のガソリンが沸騰したような現象が起こりました。ガソリンの給油口にふたをしているにもかかわらず、隙間からガソリンが噴出するのです。
ボンネットを開けて、ラジエターに水をかける等をして10分間程車を冷やすと直り、デスバレーの真ん中でガス欠になるという最悪の事態は免れましたが、このように気温が50度近くになると、普通では想像もできないことが起こります。
ご参考までに、この時のレポートとデス・バレーの写真はこちらに掲載しています。
このことから分かるように、大都市が最高気温50度にさらされる様になると、都市としての機能が停止します。
もちろん、シカゴ、ワシントン、アトランタだけがこうなるのではなく、東京などの世界の都市も同様の影響を蒙ります。
70年後にこのような世界になる可能性があると、我々の20年後・30年後のライフプランも大きな影響を受けます。
一例を挙げると持ち家をどこに持つか、という問題で、例えば東京近郊の持ち家を放棄し、シベリアやアラスカに移住せざるを得ないということが、現実的になるかもしれません。
過去30年間の観測記録に基いた予測ですので、今後の対応を誤ればこのような世界になってしまうということですね。
地球レベルの大変動を受け入れるか、我々の生活習慣レベルで我々として出来ることは少しずつ、しかし数年で大きく変えていくのか、我々は現在、選択肢に迫られていると思います。