ビジネスマンこそ、アーティストになれる?
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村上隆さんの「芸術起業論」を読んでいます。
実際に現代アートの世界で欧米から認められて活躍されている村上さん独特の視点で書かれており、「目から鱗」です。
特に私にとって目新しかったのは、「アートでは、文脈(=コンテキスト)の構築が重要」との指摘です。
ここで言っているのは、アート史や、この世の中での事象の中で、自分の芸術をどのように関連付けて考えるか、という論理構築力です。そのためには徹底した学習と、既存のルールを破壊して再構築する力が必要です。
村上氏は、日本のアートではこの点が非常に弱く、「この作品は、美しいか?」のレベルの議論になってしまうため、アートの本場である欧米に出て行っても勝負にならないとのこと。
(補足:尚、「もののあはれ」的な世界は大切だと私は思いますが、ここでの論点はグローバルで勝負できるかどうかという点に絞っています。その意味では、「もののあはれ」的な世界も、欧米の論理で文脈を構築できれば、グローバルで勝負できるのではないでしょうか?)
例えば、キャンベルの缶を描いた作品を残したアンディ・ウォーホール。彼の場合は、西欧美術史での文脈を作成する技術が圧倒的に違ったそうです。
このように考えると、ビジネス・スキームを考える訓練を日常的に仕事で行っているビジネスマンは、世界的なアーティストになれる潜在力を持っているのかもしれません。(ただし、スキーム構築力に併せて、世界に通用するアート・センスは必要不可欠ですが)
現時点でまだ読み進めている最中ですが、エキサイティングな視点を提供してくれます。
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