(045)新入社員営業マンにどれだけの経済知識が必要と思うか?
新入社員研修が始まる季節になりました。
045話は新入社員や若い営業マンにとって、どういう視点でどの程度の経済知識が必要か?について触れます。
筆者が20代~30代の時、どれだけ日経新聞を読んでいただろうか?
また,どれだけの経済情報、知識を持っていただろうか?
少々乱暴なことを言えば、そんな知識不充分でも売れた時代でした。
時代が変わりました。日本企業の海外市場での売上比率は大きく変わりました。
日本企業は人口が多く可処分所得が急速に増えている国の需要を取りに行っているのです。中小企業の海外進出意欲も相当なものがあります。
digima(出島)を参照 https://www.digima-japan.com/
競争相手は同質で戦略が見えている国内企業だけではありません。
お客様のグローバルな経済情勢への関心・敏感度はかってとは比較にならないものがあります。
新人だからと言って経済動向に鈍感であってよい時代ではありません。
ここは上司がカバーしてあげることが肝要です。
楽天の三木谷社長は入社式で「世界の異なる価値観が新しいものを生み出す、世界の動きに目を向けてほしい」と訓示したそうです。
筆者が主宰しているレジェンド営業塾に上司の山田課長が新人大内君をグローバル人材に育成しようと指導している「新人大内君の経済特訓」を掲載しております。
参考にしてください。
http://www.legend-sales.jp
どの程度の知識を持つべきか?
お客様の経営者や事業部長がどいう観点でグローバルな経済情勢を注視しているのか?という視点で理解しておくことがポイントだと思います。
例題を用意しました。
例題1: 中国経済の減速
中国経済の減速が世界経済に影を落としています。
2015年の輸出と輸入を合わせた貿易総額は、約470兆円と前年対比で8%減りました。リーマンショックの影響を受けた2009年以来6年ぶりのことで、
「中国がくしゃみをすれば世界が風邪を引く」状況が現実になりつつあります。
習近平国家主席は、成長が鈍る現状を「新常態、ニューノーマル」と呼び、向こう5年間の国内総生産(GDP)の伸びを年平均6.5%以上に保つ「中高速成長の維持」を目標に掲げました。
李首相は、3月5日から開幕した全人代で、「長年蓄積した矛盾とリスクが顕在化し、経済の下押し圧力が増している」と述べ、鉄鋼や石炭業といった利益を出せない「ゾンビ企業」を淘汰し構造改革を徹底すると述べました。
・中国需要に投資しているお客様を担当している営業職は、中国経済の中高速成長へのソフトランディングの状況に注視する必要があります。
・商工リサーチによると、「中国」発端の倒産が急増、2015年度の倒産件数は前年対比で70%増え、負債額は10倍、日本企業の負債額全体の13%にあたる
・中国習近平国家主席の発言:「大規模な景気刺激策を打ち出して短期的に高速成長を実現することは可能だが、そうすると持続することができず、世界経済のリスクになる」(2015年11月G20にて)
・3月5日から、第12期全国人民代表大会(全人代)が開幕、改革と成長(中高速)の両立を目指すと発表
1)イノベーションの促進
2)製造業の高度化
3)過剰設備の解消
4)環境関連
が第13次5ヶ年計画の骨子(2020年を最終年とする)
輸出とインフラ投資中心から消費主体の経済に切り替える方針です。
NewYork市場で取引されている原油の指標価格です。
OPEC(石油輸出国機構)の減産見送りによる供給過剰の長期化観測と需要の弱さで市場の波乱要因となっていて、これがいつまで続くか、企業経営者が関心をもっている指標の一つです。
原油価格は2014年夏まで1バレル100ドルを超え、産油国の歳出拡大(オイルマネー)や米国のシェールオイルなどの開発投資を後押ししました。世界的な金融緩和もあってエネルギー企業は容易に資金を調達できました。それが1年強で原油価格が3分の1に下落し、投資の前提が崩れたのです。
2016年1月12日、12年ぶりに一時1バレル30ドルを割り込み大きく円高に振れました。
企業経営者は原油価格の下落が円高、株安に振れているためその動向を注視しているが、何故原油価格の下落が世界を震撼させているのか?
1) 世界の景気が減速しているという先行き不安
2) オイルマネーと言われているサウジアラビアを筆頭とする産油国の財政が苦しくなって産油国通貨に売り圧力の不安
3) 原油や安を受け、石油大手が投資の見直しや人員削減を一段と加速、全体で44兆円規模の投資が延期されるという試算がある
4) 「1バレル(barrel)」は約160リットル弱で、お腹の膨らんだ酒樽1つ分の量に相当するが、昔アメリカで原油を樽で運搬していたことに由来する
5)原油価格の歴史的な下落にあって日本の経常収支は9~10兆円のプラス効果となっているが、個人も企業も貯蓄にまわしていて、消費や投資にまわっていません。
マイナス金利は銀行や企業に積みあがったお金を投資や消費に廻すことを促している訳です。
景気情勢を把握していれば、ビジネスで先を読んで手が打てます。
皆さんのお客様が企業規模の大小を問わずグローバルな市場で競争する時代の営業職にとって、経済の基礎知識の理解が不可欠です。
宇宙人や経済音痴では、現代社会では生き残れません。「日経平均急落」、「中国経済原則ショック」、「米国利上げが迫る」など身近な生活でも新聞、テレビ、スマホを開けば沢山のニュースが目に入ります。
「日本の景気はこの先どうなるの?」、「今日はずいぶん株価が下げているけど、何が原因でこの先どう見ている?」こんな質問は日常的なことです。
こういう会話から避けていると信頼が得られません。
「今年の日本のGDP成長率の予想は?」、「失業率は?」など、自分なりの数字を示しながら応えられることが営業への信頼感の基礎にになります。何もコメントできなければ、大事なセールストークへの信頼感に及びかねません。
ただし背伸びするほど無理することはありません。
楽しみながら興味を持つことです。
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・毎日、日経新聞を読むことで自然と身に付くが、その経済用語を理解するまえに抑えておきたいのが、統計への理解
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・統計学の知識は次の3点: 「平均値」「標準偏差」「相関係数」
・なんでもない「平均値」から統計学は発展しています。