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マーケティングのはじめの一歩は消費者を理解することから。変化する消費者動向をとらえるためには仮説が大事。このブログでは消費者理解のための様々な仮説をデータに基づいてご紹介。商品開発・ブランディングのコンサルタントとして、あらゆる市場のイノベーションを目指して日々格闘している大久保惠司がお届けします。

女性向けファッション雑誌市場を眺めてみた。-消費者データから見るブランドポジション(8)-

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 先日インプレス・ビジネスメディアから「電子書籍ビジネス調査報告書2013」が発表され、2012年の電子書籍市場に関する統計データが公表されました。スマホ、タブレット、電子ブックリーダーなどの新しいプラットフォーム向けの電子書籍市場が活性化され、2012年の電子書籍市場規模は前年比15.9%増の729億円。再び成長軌道を描き始めたと分析されています。

 リアルな本の市場の方は出版年鑑によれば、雑誌の実売の落ち込みが激しく、10年前の2002年には1兆4200億円あった売上が、2012年には1兆円を割り込み9700億円となっています。雑誌の花形は「女性向けファッション誌」です。多分、このあたりの落ち込みの影響は避けられないのでしょう。というわけで、今回は「女性向けファッション・ライフスタイル誌」のジャンルを見てみたいと思います。久しぶりにブランドポジションのお話しです。


【ランキングを見てみる】

 クラウド型消費者分析ツール「ぺるそね」は約30,000人の150問を超えるアンケート情報をデータベース化し、様々な角度から分析できるようになっています。「ぺるそね」の「マーケットを知る」機能を使って「ファッション・ライフスタイル誌(女性)」を見てみましょう。

 女性回答者16,175人中、ファッション・ライフスタイル誌(女性)に回答したのは5,774人。全体の37.5%しかファッション・ライフスタイル誌を読んでいない、ということになります。

 アンケートの聞き方は、普段読んでいて、お気に入りの雑誌を選んでもらう形になっていますので、実売シェアというよりもマインドシェアとして理解していただいた方がよいと思います。

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【女性向けファッション・ライフスタイル誌のポジショニング】

 まず始めに平均年齢×平均世帯年収のマップにポジショニングしてみます。縦軸が平均世帯年収。横軸が平均年齢です。円の大きさはマインドシェアの高さです。

 最も若い人が好んでいるのは「Sweet」。最も年齢層が高いのは「婦人画報」ということになりました。また、世帯年収で見ると、最も低いのは、年齢的な相関により「Sweet」となり、最も高いのは「STORY」でした。

 世帯年収が高いエリアに属するのは「STORY」「VERY」「Oggi」となり、低いエリアに属するのは若い人が好む雑誌「Sweet」「ViVi」「an・an」「WITH」「MORE」となります。

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 もう一つのポジショニング、平均年齢×平均おこづかいで見てみましょう。おこづかい軸のポジショニングは世帯年収とは違った結果となっています。おこづかいが高いエリアに属するのは「婦人画報」「Oggi」「家庭画報」「美的」となり、世帯年収の高かった「STORY」「VERY」は平均ラインに近づきます。最もおこづかいの低い雑誌は「LEE」となりました。

 年齢層の高い4誌は別として「VERY」「STORY」「LEE」の既婚率が高くなっています。このあたりは専業主婦の方たちが読者層の中心なのかもしれません。一方「Oggi」「美的」「日経WOMAN」は既婚率もやや低いことから、働く女性に向けた雑誌で、自分で稼いで買っているというイメージですね。あ、日経WOMANは言うまでもないか...。

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 さて「女性向けのファッション・ライフスタイル誌」のポジショニング、いかがでしたでしょうか。皆さまの女性ファッション誌の市場イメージと一致していますか?

*データは「ぺるそね」調べ。2012年6月 n=31,444
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