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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

従業員が途中で現場から帰ってきた

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現場での組み立て工事はステンレスプール工事専門会社に依頼して、私の会社の従業員を見習いとして同行させていました。

そこで技術やノウハウを習得して、次から自社で工事をしようという作戦でした。

ある日、その従業員が泣きべそをかいて帰ってきました。

「しゃ、しゃ、しゃちょー・・・グスン」

「ど、どうした?何があったんや?」

「今日は雨で現場が休みです。グスン。雨でもできる作業はしているけど、ぼ、僕は帰ってきました・・・。グスン」

「何で自分だけ帰ってきたんだ?」

「できる仕事がないし、足手まといになるだけです。一生懸命やろうとしたけど、技術的に無理です。グスン。も、もうこれ以上できません・・・

「いや、頑張れば何とかなるやろ?!お前ならできるはずだ!頑張れ!」

「いや、どう考えても不可能です。無理です。限界です。も、もうできません・・・。う、う、うぅぅぅ・・・・・う、ワハハハハ!」

「そうか!ガハハハ!」

ということで、笑いをこらえて芝居をして、最期に大爆笑でした。

ちなみに、この芝居の観客はいません。(笑)

「全然無理ですわ。不可能です。終わり」という感じで、ただ足手まといになるだけで、技術やノウハウを勉強する次元ではないということでした。

私も無理と思っていたのですが、100%無理だということがはっきりしたので、前の仕事に戻らせることにしました。

そうして、現場作業を習得するという計画は、あっという間に終わったのです・・・。

今後の現場工事はどうなるかわかりませんが、今回については問題ありませんので、スッパリとあきらめました。

今回は、従業員が自分で判断して現場から帰ってきました。

もちろん勝手に帰ってきたのではなく、今日だけ帰ってきたのでもなく、今日で終わりにするという話をつけて帰ってきたのです。

非常に重要な決断ですので、一般的には社長が話をつけることになると思いますが、彼は自分で決断して話をして帰ってきました。

責任者として任せていましたので、何をどうするにしても、自分で判断、決断するのが当然なので、これでいいのです。

自分のケツは自分で拭くということですね。

ちょっと意味が違うかも知れませんが。(笑)

重要な仕事を任せることで、従業員が成長することをわかっていましたので、どんどん権限を渡して任せていました。

一から十まで社長が指示して現場に首を突っ込んでいては、従業員は骨抜きになるだけです。

何とかしようと努力するのは当然ですし、そうするのもわかっていましたので、その結果ダメと判断したのですから、私もあっさりとあきらめたのです。

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