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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

現場仕事に走る社長は?

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ある程度の事業規模になり、組織もそれなりにできていたこともあって、私は工場業務から抜けることができました。

社長がいつまでも現場で仕事をするのは良くありませんので、会社として良い体制になったといえます。

2社とも責任者がしっかりしていましたし、それ以下の組織もできていたため、問題なく業務は回っていました。

当初はやったことがない仕事の連発でしたが、それも一段落していましたので、若手も一人前の仕事ができるようになっていました。

そして、私は社長業に専念できるようになったのです。

しかし、一つ問題が起こりました。

何をやったらいいのか、わからなかったのです。(笑)

当時は勢いだけはあるものの、経営者としての実力がゼロに等しかったため、社長業とは何かがよくわかっていませんでした。

また、事業拡大が頭にあるものの、次は何をやったらいいのかもわからなかったのです。

でも、ある意味、ちょっとした成功者でもありました。

私は何もしなくても会社が経営できて、利益を生み出しているのです。

経営者としての実力がゼロとしても、結果としてそれなりの会社になっていましたので、その点では良い状態といえます。

そんな状態でしたし、とりあえず時間はたっぷりありましたので、ゴルフに精を出しました。(笑)

すでに100前後で回れるくらいになっていて、多い時は週に3回くらいコースに行っていました。

それくらいになると、さらに上を目指したくなりますし、時間もたっぷりありますので練習場に通いました。

でも、何時間も練習していると疲れますし、さすがに毎日行くのは気が引けます。

それで、隔日くらいに行っていました。(笑)

この生活の善し悪しは別にして、この時に思ったのは、現場で仕事をしている方が楽だということです。

現場で仕事をしていると、それなりに体を使いますし、通勤も含めて拘束時間は半日くらいになります。

その後、社長としての仕事をするのは、それほど仕事がないとしても、それなりに大変です。

給料明細は私が手書きで書いていたのですが、眠くなってきたので、ミミズが這ったような字になったこともありました。

それはもう、ものすごく大変なのですが、実はその方が楽だったことに気が付いたのです。

一日中、現場で仕事をしていると、いかにも仕事をしたような満足感があります。

でも、それは社長の仕事ではありませんので、ただの自己満足にすぎません。

社長が現場仕事に走るということは、いかにも仕事熱心に見えるかも知れませんが、結局は楽な方に走っているだけということです。

楽な方に走っているようでは、事業が伸びることはありません。

自分がその立場になって、そのことが身に染みてわかったのでした。

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