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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

突然の無茶な引き抜き劇

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従業員を増やし続けている時は、ほとんどが新規採用でした。

縁故関係で採用していたこともあって、良い人材ばかりを採用できて、事業拡大に弾みが付いていました。

でも、いくら頑張って仕事をしているといっても、全員が素人ですので、それを管理できる人材が必要になりました。

しかも、工場から直接指示される業務もありましたので、絶対に大丈夫な人材を入れる必要がありました。

そうなると、何らかの形で関係している人材でなければなりません。

しかし、それらの人材はすでに当たっていましたので、もう心当たりがありませんでした。

そこで、ナンバー2でもある専務が「うちの弟を引き抜きましょうか?」と言ってきました。

この仕事の経験はありませんが、絶対に大丈夫な人材という点では申し分ありません。

しかし、当然ながら他の会社でバリバリに仕事をしています。

今の仕事内容を聞いてみると、NTTの関連会社で現場で配線などの工事をしているということでした。

安泰の大企業から、どこの馬の骨かもわからない会社に来るわけですから、普通なら不可能な話です。

でも、それしか方法がありませんので、その日のうちに、こちらに来てもらうことにしました。

幸い現場仕事なので、仕事帰りに立ち寄れるということでした。

そして、あいさつもそこそこに兄弟の会話が始まりました。


「おい!お前、今日で会社辞めて明日からうちに来い!」

「ハハハ、冗談は顔だけにしろや。で、急用って何や?」

「アホか!このくそ忙しいのに、なんで冗談でお前の相手をせなあかんのじゃ!」

「急に呼びつけといて、それはないやろ!わかるように言えや!」

「だから、明日からうちの社員になれって言ってるやろ!わかったか、コラ!」

「は、はああ?なにい?そんなアホな・・・?」

「こっちは人が足らんのじゃ!つべこべ言わんと明日から来んかい!」

「ちょ、ちょっと待ってや!?そんないきなり言われてもむちゃくちゃや」

「アホか!むちゃくちゃもへったくれもあるかい!言われた通りにせんかい!」

「そらいくら何でも常識外れやぞ!いきなりすぎるやろ?」

「アホか!これがうちの常識や!とにかく明日から来い!」


こんな感じのけんか腰の会話が繰り広げられていました。(笑)

私も明日から来てほしい気持ちはありますが、さすがにいきなりすぎます。

自分の立場よりも、相手の立場や状況をよく考えなければなりません。

そこで、私が話に割って入りました。


「まあまあ、うちとしてはすぐにでも来てほしいけど、さすがに明日からは無茶やぞ。そんな無理を言ってはいかんわ」

「はあ、そうですよねえ・・・」

「そしたら、あさってからにしようか!」

「は、は、はああ?!うそお・・・」

「まあ、あさってやったら、何とかなるやろ?!ガハハハハ!」

「ひ、ひ、ひえ~~!」


こうして相手のことを考えて、明日じゃなくあさってからにしたのです。(笑)

そして、有無を言わさず次の日で会社を辞めて、予定通り来てくれました。

こうして、絶対に大丈夫な人材を入れることに成功したのです!

彼が来てくれたおかげで、快進撃はさらに続くことになりました。

かなりめちゃくちゃな引き抜き方ですが、条件面ではきっちりと本人のことを考えていました。

無茶を言っている分、給料や待遇面では、今よりも良い条件を提示しました。

その結果としては、そうなることはわかっていたのですが、すぐに「来て良かったわ~」と言ってくれて、バリバリに仕事をしてくれたのです。

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