オルタナティブ・ブログ > 事業のヒント >

事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

裏切り、裏切られた奇妙な関係

»
元請けのリーダー格とメーカーとの共謀で、計画通りもう一社の元請けが誕生しました。

普通なら、元請けが完全に入れ替わってもいい状況ですが、残った元請けは、人数分の仕事をもらえていました。

そうなったのは、その元請けは工場の運送業務も手がけていたからです。

手がけていたというよりも、運送業がメインで、そのつながりで製造業務を請け負っていたのです。

工場の運送から撤退されると、メインの運送業者のため、工場から製品が出荷できなくなってしまいます。

だから、工場から裏切り行為にあったものの、元請けの立場はそのままで、人数なりの仕事は確保できていたのです。

工場としても、運送がなければ完全に切っていたところだと思いますが、切るに切れないという事情があり、そういった形になったのでしょう。

そうして、なんとも言えない微妙な関係が始まったのです。

私に言わせれば、あまり理解できないことです。

裏切り行為はメーカーがやるようなことじゃありませんし、裏切られて平気な顔をしている元請けの社長もどうかと思います。

そこは、下請けの強みでもあり弱みでもあるかもしれません。

下請けだから、メーカーのすることに反論はできませんので、裏切られたとなっても、文句を言うことはできません。

でも、下請けに入り込んでいるため、一気に抜けてしまったらメーカーも困るのです。

また、仕事がなくなれば下請けも困りますので、持ちつ持たれつというか、おんぶに抱っこという感じでしょうか。(笑)

それは仕方がないとしても、現場はやりにくい状態でした。

私が入った時は、すでに何ヶ月も経っていたので、その状態が普通だったのですが、ピリピリしたムードが漂っていました。

一つの工場を二分していますので、相手の状況は丸見えです。

また、天井クレーンとかは共通で使っていましたので、何かと気を遣うことも多かったですね。

ライバル同士ではなく、敵対関係のような感じでしたので、一触即発とまでは言いませんが、それに近い面はありました。

その状況を見て、「工場は何をやろうとしているのだろう?」と思いました。

一つの工場で分かれてバラバラの仕事をしていますので、明らかに効率は劣ります。

敵対関係であれば、なおさらロスが発生します。

それは、工場にとっても良くありません。

請負ですので、支払う金額は変わらないかも知れませんが、工場側の人権費や管理する経費が増えますので、デメリットのほうが多いはずです。

運送業務がネックになって切るに切れないのであれば、きっちり話をして、運送業務だけにするという選択肢もあるはずです。

メリットがあるとすれば、新しい下請けは単価が安くなっているくらいでしょう。

そうだとしても、工場の経費が増えていれば、何をしていることかわかりません。

実に奇妙な状態だったのですが、中途半端にすると良いことがないという勉強ができました。

Comment(0)