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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

突然、元請けが誕生した作戦

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コンクリート製品製造工場(メーカー)で下請けとして事業をしていた時は、メーカーには2社の元請けがありました。

元々は、元請けは1社だけだったのですが、ある日突然、2社目が参入することになりました。

その当時は私はいなかったので、元請け(私の親会社)の従業員であり、私の友人でもある人間から聞いた実体験をご紹介します。

元請けの社長はあまり評判が良くなく、従業員の多くは不満を持っていました。

リーダー格の従業員は、その工場で仕事をしている年数が長かったのと、仕事ができたことと、40代くらいの年齢で人望があったこともあり、メーカーの幹部と仲良くなっていきました。

仲良くなると、当然、社長の不満話も出ます。

メーカーとしては、元請けの社長には良い印象を持っていなかったようで、話が弾みます。

そうして、工場長をはじめとする工場の幹部や、支店長クラスの人間とどんどん仲良くなって行きました。

いつ独立してもおかしくない状態でしたが、元請けとの契約や関係もあり、元請けと同じ立場で使うわけにいきません。

そこで、そのリーダーとメーカーが組んで計画を立てて、ある作戦を実行しました。

ある日突然、リーダーと10人くらいが一気に辞表を提出して、元請けを辞めていきました。

確か、月曜日の朝とか、月曜日の仕事が終わってすぐくらいだったと思います。

ものすごく姑息ですね。(笑)

下請けは全員で十数人ですので、10人が一気に辞めてしまうと、3分の1の戦力になってしまいます。

また、仕事ができる人材が辞めていきましたので、元請けは蜂の巣をつついた状態です。

人材派遣ではありませんので、人数が少なくなっても、仕事さえきちんとしていれば問題ありませんが、とても消化できる仕事ではありません。

当然、何が起こったかは理解していて、「仕事ができません」と言ってしまえば終わりですので、朝から夜中まで必死になってやったということです。

メーカーも戦犯ですので、仕事を減らすことはしないばかりか、ここぞとばかりに仕事を増やしてきたということです。

そうなったら、ギブアップです・・・。

仕事が回らなくなり、工場長から「これ以上仕事が遅れるとまずいから、こちらでできるようにするけどいいな?」と言われてしまいました。

そして、次の日から辞めた10人が新しい作業着を着て、メーカーと直の契約をした元請けとして入り込んできたのです。

明らかに絵が描かれていて、その通りになったという結末でした。

メーカーとしては、元請けに問題があり、仕事が消化できなかったから、できる人材を呼んだという建前が成立しています。

辞めた人間は、元請けをすでに正式に辞めていたので、引き抜きとかではなく、次の仕事を探していたら声をかけられて、たまたま全員がそろったという建前が成立しています。

元請けとしては、出来レースとわかっていても、仕事を消化できなかったので何もいえません。

このメーカーは業界トップクラスの規模で、上場企業でもあります。

そんな会社なのですが、裏でこんな姑息な作戦を立てて、うまく元請けを誕生させたのです。

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