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事業アドバイザーとして活動する以前は、会社の経営者として様々な事業を立ち上げていました。その時代の失敗談、成功談から最近の事業アドバイス事例、改善事例など、事業繁栄のヒントになる実体験を書きます。

専務の独立時の反応

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その運送会社と直接契約して、しばらくしてから、その会社の専務が辞めることになりました。

役員会議の発言時に、「私の役目は終えましたので、退職したいと思います!」と宣言して、周囲を驚かせたということです。

もちろん、社長には事前に言ってあって、その日、全員に周知したということです。

その専務は、社長の身内でも何でもなく、右も左もわからない状態で入社して、数年で社長の息子も追い抜いて会社のナンバー2に上り詰めました。

二十歳で入社して23歳で営業所の所長になります。

そして、28歳で専務に抜擢されました。

三重県に本社があり、事業拡大のため滋賀に進出するという話が出たら、進んで手を上げて家族共々滋賀に引っ越しされました。

トラックは本社から持って来たものの、滋賀営業所の土地を買って、3階建ての事務所を新築したので、償却しなければなりません。

そんな厳しい状況ですし、運送業はそれほど利益が出る業種ではありませんが、予定通り3年で黒字化を達成したということでした。

そして、安定した仕事を確保して、今後の見通しも立ったため、自分の役割は終えたということだったのです。

専務の上は社長になりますので、まだ上を目指すことはできたのですが、社長になったとしても、いずれは息子に社長の座を渡さなければなりません。

そうなると、雇われ社長ではありませんが、思い通りにいかない部分もありますので、独立する道を選んだのです。

役員からは反対の声が出たとともに、「もったいないなあ~」という声も多かったということです。

また、辞める話をする度に、「もったいないなあ~」と言われたということです。

それもそのはずで、人並み以上の地位と収入を捨てて、裸一貫でスタートするのですから、将来の保証も何もありません。

なりたくてもなれない立場ですので、それを捨てるとは普通は考えられないのでしょう。

その話は、レベルは違いますが、私と同じでした。

私は一流の大企業のサラリーマンでしたので、普通に仕事をしていれば、人並み以上の生活や老後まで保障されているような状態です。

入りたくても入れない人が多いですし、中途採用は絶対にしない会社ですので、それを辞めるとは普通では考えられません。

辞める話を誰かにすると、ほぼ全員から「あーあ、もったいないなあ~」と言われました。

私も専務も同じ周囲の反応を経験したのです。

普通に考えればもったいない話かも知れませんが、私は普通ではありませんので、「何がもったいないんじゃ?そんな考え方がもったいないわ!」と思っていました。(笑)

そして、その専務も普通じゃありませんので、当然ながら、後悔の欠片もなかったのです。

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